出会い
家の方が、雑音がない分、集中ができ、資料作成も普段より、かなり早く仕上げることができるようになっている。
それに・・。
上司のお局達と顔を合わせずにいられるのも、リモートワークが良いと思える一つだ。
会社では何かしら、陰口や会社の文句を言ったり、ミスがあると責任を押し付けようとする人達がいる。
相手にしないように普段は笑顔でその現場を流している。
もうあの、おばさん達とは、できるだけ関わりたくないのが本音だった。
だからこのリモートワークは私にとって最高だった。
メイクも服もオフィス仕様にしなくていいし、まじ楽。
会社の後輩とのラインで毎回そんなやりとりをしている。
グラスと皿を洗い終え、バスルームに向かう。
鏡を見るとワインのせいで顔が少し赤いようだ。
「最近、肌の調子、良きかも」
ファンデーションを塗る回数が減り、最近ほぼすっぴんな為、肌に負担がなく、荒れていた肌も綺麗になっていた。
今までは、シャワーで済ませていたが、残業も無くなったので、ちゃんと湯船に入るようになった。
クネイプの入浴剤を入れてゆっくりとお湯にはいる。
「ふーっ」
最近こんな感じでゆっくりできる時間が増えて、心のゆとりができたようだ。
入浴剤のラベンダーの香りが広がる。
ラベンダーの香りを嗅ぐと、よく眠れるそうだ。
ゆらゆらと、わずかに揺れるパープル色の湯。
大きく深呼吸し、目を閉じた。
ゆっくり、ゆっくり落ち着いて湯に浸かる。
こんなゆったりとした時間が、今までは考えられなかった。
飲み会や会食、付き合い等の外出はもうしなくていい。
だからこんな風にゆとりが生まれる。
気持ちと身体に。
たまにはこんな時間、いいよね。
日々めまぐるしいスピードで生活をしていたけど、こんな風に時を感じることができるようになった。
目を閉じると鼻腔からラベンダーの香りが入ってきて、ふと二年前に別れた元カレの義昭のことを思い出した。
義昭は二十五歳の時に出会った。ちょうど料理教室のチェーン店123クッキングに通っていた時に出会った。
義昭は私の一歳年上で、大手化粧品会社の男性化粧品の企画をしていた。
大半の生徒は女性だったが、数人は男性の生徒もおり、義昭もその内の一人だった。
教室に通いだした理由を尋ねると、最近料理することに興味がでたから、と言っていた。




