第52話 最終調整
ヒガンと融合した力を試すため、オレは難関のダンジョンへ単身潜る。
オレ自身を強くするのも、忘れない。
アンドラスとの戦いで、キナ子がボロボロにされた。今でも大事を取って、動かしていない。
あんな戦闘は、もうゴメンだ。
【魔法剣士】にクラス替えしたから、オレはまだまだ強くなる。【サムライ】と違って金属ヨロイも装備できるため、防御面もオーゼに頼りっきりにならない。
【ソーサラー】の集団が、オレの前に現れた。本来は、ただのゴロツキだ。しかし、魔王によって魔法の種子を植え付けられて魔法使いのスキルが使える、という設定である。
あれは、底辺冒険者の成れの果てだろう。ベリト辺りが、魔法使いの力を与えたに違いない。
「ミツルから、ギルドへ。あれは、倒していいんだよな?」
一応、冒険者ギルドに確認を入れる。
『構いません。あれはもう、魔物扱いです』
「わかった。処理する」
オレは容赦なく、ソーサラーに斬り掛かった。
「うおっと!」
【ソードマン】が、オレの剣を止める。手には、【魔剣】を持っていた。魔力のこもった、呪われた剣である。使い手を、意のままに操ってしまう。これまた、ベリトの差し金か。
「やっぱり、連携してくるよなぁ。だが、お前たちの戦い方は、旧世代すぎるんだよ」
今の時代、剣士だって魔法を使える。
ソードマンに隠れて、ソーサラーが火球を飛ばしてきた。
「【マジック・シールド】!」
オレは【カイトシールド】で、魔法を跳ね返す。
魔法攻撃専門になるが、反射も行える。
「【チャージ】からの、【シールド・バッシュ】!」
盾に魔力を込めて、ソーサラーを殴り飛ばした。
バザーで手に入れた素材で手持ちの盾を強化したんだが、なかなかの威力である。防御だけじゃなく、攻撃もイケる口か。いいねえ。
バザーは、もっと活用していいかも。
『ちょっと、ミツル! 【アラマサ】はどうしたのよ!?』
「今、使うから! 見てなさいっての!」
まったく、小言がうるさい奥様だこって。
オレの戦闘法だって、前時代的だろってお説教が飛んできそうだ。
今のはあくまで、防御を強いられたときの戦闘術である。アラマサが通じなかったときの、保険だ。
「見せてやるよ。アラマサの切れ味を!」
コイツラ相手に、アラマサはぶっちゃけもったいない。しかし、使っていかないと、いざってときに役立たないこともある。
ソーサラーが、氷の矢を飛ばしてきた。地面から、雷撃も撃ってくる。
そうそう。じゃんじゃんブチ込んでこい。まとめて、【切断】してやる!
「くらえ、【アラマサ・神撃】!」
オレは、相手が放った魔法ごと、ソーサラーやソードマンを一撃で仕留めた。
「うへえ。魔法まで攻撃対象になるのか。補助や回復魔法まで、切り捨てやがったぜ」
どうやら、とんでもない刀を手に入れてしまったようである。
「大した動きじゃん。それだけの力があるなんてさ」
バンギャ風の少女が、オレの前に現れた。
「思っていた通り、出やがったな。ベリトの手下だな?」
「そうだ。あたいはムルル。ベリト様への手土産に、あんたの首をもらう!」




