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悪霊

店長は言いたくなさそうな顔をするが仕方なく説明した。


心霊現象が起きているカラオケボックスでは2年ほど前に殺人事件が起きた事。深夜のカラオケボックスで酒を飲み過ぎ泥酔した会社員達が一緒に来ていた同僚にプロレス技をかけて窒息死させたという事件が・・・。


「あー、なるほど・・・」


きさらは察した。これは怨みで出てくる悪霊の類の可能性がある。


「で、でも!あの後お坊さんとかを呼んでお祓いとかしたんですよ?それでも成仏出来てないの?」


「お坊さんや神社の人でも霊感のない人は腐る程居ますからね。むしろほとんどの人は霊感は無いです。あってもボンヤリ視える程度です」


この世には霊感が無いのにお寺関係者、神社関係者という事でお祓いをする人が多いが、大抵の場合は上手くいかない。


きさらはゆっくりと立ち上がる。


「ちょっと、そのカラオケボックスまで案内してください。私が直接視てきます」


「え?僕が案内するの?あんまりアソコには近寄りたくないんだけどなぁ・・・」


店長は凄く嫌そうな顔をしている。変な汗も出ているし。


「もしかして怖いんですか?」


「んなななななっ!んなわけありますかっ!?僕はこのカラオケ店の長だからね。幽霊なんて信じていないし怖くも無いよ」


めっちゃ動揺している店長。身体めっちゃ震えているしビビっているのは分かる。しかし、店長という立場上怖いなんて言えないのだろう・・・。



店長は立ち上がり、きさらの手を持って引っ張っていく。


「ちょ、ちょっといきなり引っ張って痛いんだけど・・・」


「あっ!すまない早く祓ってもらいたくてね!うっかり力入れすぎたよ・・・」




そんな感じできさらは店長に連れて来られたカラオケボックスの前へ行く。


そのカラオケボックスからはなんともいえない雰囲気が漂っていた。何だか不安になる感じがする。


「さ、さささ!早く祓ってください!」


きさらは渡された鍵でカラオケボックスの扉を開けると空気が変わった感じがした。


このカラオケボックスの中だけ空気が他とは違う感じだ。そしてこの『空気が変わる』というのは大抵の場合は幽霊がいる場所だ。


「で、では僕は戻るので後は頼みまース!」


「待って、どの辺でどの様な現象が起きたのか聞きたいんだけど・・・」


きさらは店長の腕を掴んで無理矢理カラオケボックスに入れる。


「ぎゃー!!貴様!こ、こんなところに僕を入れるな!呪い殺されるだろうが!」


幽霊が怖くてたまらない店長はきさらが無理矢理カラオケボックスの中に入れたことに対してぶち切れている。


「大丈夫。呪い殺すほどの力はこの悪霊にはないから。てか幽霊なんて信じてないんじゃなかったの?」


すると突如として「バンっ」という大きな音と共に扉が閉まった。


「うわぁー!扉がしまったー!開けなきゃ!」


店長が急いで扉を開けようとするが・・・



「あ、アレレレ?開かない?あかないっ〜〜??えぇっ〜〜!?うっそ、あかない〜〜!?!?そんなそんな、もしかして本当に幽霊の仕業?しわざ?」


扉を開けようとガチャガチャしているがいくらやっても扉は開かず、店長も恐怖で頭がおかしくなってきたみたいだ。


「そうだね。そして・・・悪霊はすぐそこにいますね」


それらカラオケボックスの扉の近く。カラオケボックス内にある電話の前で悪霊は立っていた。




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