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銀の魔女の憂鬱〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜  作者: 白雲八鈴


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23 それを選んでしまったのか

「アリアの側にいると言ったはずだ」


 そうですか。一晩経ってもその意見はかわりませんか。


「あと、出来れば痣は隠しておきたい」


 まぁ、そうだろうね。痣が動くって普通はないから、他の人から怖がられるものだろう。


「わかった。いい加減に朝の日課をしなければならないから、離してほしい」


 私は解放され、クローゼットに向かう。クローゼットと言っても一部屋と表現してもいいほどの大きさだ。そこには私の衣服が整然と並んでいる。殆どが真っ白な色の衣服だ。

 フェーリトゥールに作ってもらった衣服なのだが、ドレスに普段着の洋服、魔物討伐の時に着る清楚な軍服、その殆どが真っ白な色をしている。なんでも白銀の聖女のイメージを表したらしいのだけど、領地に帰るのにこれは着ることはできない。竜の谷に追放された者としては、目立つことはできるだけ避けたいのだ。


 いつもどおりシンプルなワンピースを手に取り着替える。



 畑に出て辺りを見渡せば、生き残った薬草以外が生えていない土だけが盛られた畑が目に映る。そして、深呼吸をして私の内側にある魔力を高めて、目視出来るほどの高魔力を体に纏っていく。

 地面にはチラチラと影が横切っていくのが目の端で捉えられた。上の見上げると、数頭のドラゴン達がこの家の上空を旋回している。


 高めていった魔力を上空に向かって解き放つ。ただの魔力の塊を放っただけ、それは攻撃ではない。

 魔素を好むドラゴンたちにすれば嗜好品みたいなものだ。私の魔力をドラゴン達は喰らう。私はいらない魔力を打ち捨てる。私とドラゴン達はwin-winの関係なのだ。


 魔物討伐を行わなくなった私はこうでもしないと昨日の様に自分の魔力で内側を破壊されてしまうのだ。例え、魔力喰いを用いたとしても、私の中の魔力はソレだけでは抑えられないところまで来てしまっていた。


 そのため今は一日に一度、魔力を発散し、魔力喰いで調整していく感じなのだ。

 だから、先日の嵐の様に外に出られないと困ったことになる。コレを室内で行うと住む家に風穴を開けることになってしまう。



 それから、私は種まきを行い、家の中に入ろうと振り返れば、魔王様が立っていた。いるなら声を掛けてほしい。


「なにか用?」


「いや、アリアの魔力はキラキラして綺麗だと見ていただけだから」


 そう言えば昨日もそのような事を言っていたな。私の魔力がキラキラしていると。魔力が白く聖女らしいと言われたことはあるがキラキラと言われたのは初めてだ。


「そう。それで、その剣は扱えそう?もともと普通じゃない剣だから、扱いには気をつけてね」


 私は、彼の腰に佩いている大太刀を指しながら言う。刀だから、両刃でな無く片刃。叩き斬るのではなく、引き斬る。


「ああ、変わった剣だが、問題ない」


「そう、斬れ過ぎる事があるから、調整は自分でしてね」


 そう言って、私は家に戻って行く。横を歩く彼を見上げ、そう言えばと声をかけた。


「どれにするか決めた?」


「ああ」


 何を決めたのか。

 私がクローゼットに入って手に取ったのは着替えだけではなかった。

 大量の仮面も一緒に持ち出したのだ。


 何故、私が大量の仮面を持っているかといえば、騎士達が土産として仮面を渡してくれたからだ。最初は女性騎士が故郷に里帰りした土産と言って渡してくれたのが始まりだった。

 それから、次々に仮面を土産として渡してくれるようになったのだが、今でもその行為に何の意味があるのかわからない。不思議だ。


「どれ?」


「これにした」


 そう言って見せられたものは、真っ黒な仮面に目の部分に穴が開けられ、その周りに赤い隈取のような紋様が入ったものだった。


 コレを土産としてもらった時に思ったのが、どこかの闇結社の儀式用の仮面を持ってきたのか?もしくは裏組織の押収品ではないのかと疑ってしまった。


 しかし、これを選んでしまったのか。いや、本人がこれでいいと思ったのなら私は文句はない。無いが、コレの隣に居なければならないのか?蠢く鱗紋様とどちらがましだろう。


 いや、どちらも同じか。



 私は大量の仮面を片付け、長椅子に座る。煙管(キセル)を取り出し、一息ついてから、左手に陣を出現させる。そこから顕れたのは妖精のフェーリトゥールだ。


『何用か?』


 金糸のような美しい髪をふわふわとなびかせ、黄金を流したような目は楽しそうに笑っていた。


補足

騎士たちが仮面を土産にした件


 女性騎士が白く金の飾りが付いた顔の上半分のみの仮面を土産として渡し、「白銀の聖女」が仮面舞踏会にソレを付けて参加したことで、もしかして、自分が渡したものもこの様に付けてもらえるのではないかと、浅ましい考えを持った者達が次々に仮面を渡すようになったのだ。


 リーゼは丁度いいものを先日もらったなと思っただけで、深い意味はなかった。因みにリーゼは貴族たちから支援として資金提供をしてもらため、舞踏会等に参加していた。要は金集め。


_______________

誤字報告ありがとうございます。

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