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閑話27【少女探偵団⑦】

閑話24〜26のおよそ1ヶ月後、南子視点の話になります。少し長めです。

「はぁ……」


嗚呼、空はこんなに青いのに…


南子ナコちゃん、元気出して」


湖面をなぞる風は、こんなに優しいのに…


「まったく、遊びに行くわけじゃないんだから」


太陽はとっても眩しいのに…


「どうしてカイ君がここにいないのぉおぉぉ」


せっかくみんなで岐阜まで旅行するのに、なんでカイ君がいないんだぁあああぁぁぁあぁ!!!!




6月某土曜日。


私と小豆チトマドカ、それと山田の4人は、学校最寄りの駅でモウさんと合流して、毛さんの運転で岐阜に向かっていた。


お昼ご飯も兼ねて休憩に寄った途中のサービスエリアで、車を降りて目に入ってきた景色は、湖と山脈と青い空を一望できる、アニメ映画に出てくるシーンのモデルにもなったっていう、めっちゃ最高のロケーション。


なのに!!


身長185cm私的学年No.1イケメン、バスケ部キャプテンのカイ君が、バスケの大会があるから来てないんだよぉおおぉぉ!!


支部予選で敗けたら来れるって言ってたけど、ウチのバスケ部は公立なのにそこそこ強くて、この2年は準優勝、優勝と続いてて、全国大会まで行ってるんだ。


負けるはずがないのよ。


お願い、一緒に岐阜に行きたいから負けて!!


なんて言えるはずないし……。


嗚呼、この景色をカイ君と見たかったなぁ……。




今から1ヶ月ぐらい前の5月半ば、毛さんの探偵事務所に行った日。


毛さんが調べたところ、一連の“紫の蝶々”が絡む行方不明事件の発端が、岐阜県の旧宮村の神隠し事件らしくて、そこに何か手掛かりがあるかもしれないっていうことで、現地調査のために、みんなで宮村に行くことになった。


私と佐久間さん──行方不明になったクラスメイト、藤田君の従姉妹で、藤田君と一緒に行方不明になった、今年小学校に入学したばかりの女の子、ミユちゃんのお母さん──で連絡先を交換して、日程を相談した。


佐久間さんは接客業で土日は忙しいはずなんだけど、学生の私達のことを考えてくれて、行くなら土日がいいよねって提案してくれて、土日に休めるか店長に聞いてみるって言ってくれた。


その2〜3日後に、6月の半ばにお店のリニューアル工事があるから、その時なら行けるよ!って連絡があって、宮村行きの日程が決定。


そして今日、学校の最寄駅でみんなで待ち合わせして、毛さんの運転で高速道路を走って来たところなのだ。


「ずいぶん暗い顔してんじゃねーかよ、南子」


「ぬっ、山田!?」


自覚はあるけど、コイツに言われるとなんか腹立つ。


円と同じ特進で、頭“だけ”はいい、性格最悪な男。


「ようやく兄貴の手掛かりがわかるかもしれねぇってのに、なんでそんなテンション低いんだよ。もっといつものお前らしくバカ騒ぎしてろよ」


「誰がバカじゃい!」


てか、なんでコイツがいるんじゃい!?


山田!!お前特進だろ!?受験勉強に勤しめよ!!……って言っちゃうと、円も特進だから言えないけど。


つーかこのヤロウ、山奥の田舎で聞き込みするっていうから、私達女子でさえ、ちょっと控えめな格好で来たってのに、なんかちょっとオシャレな格好で来やがって。


スネ出しカーゴパンツとサンダルに、グレンチェックの七分丈ジャケットって、どこのベンチャー社長の休暇だよ!!


て、言いたいところだったけど…


「良い景色だろ。昔はもっと住宅も少なくて、緑も多かったんだけどな」


その隣に、シンプルな無地の白Tと、裾の閉じたゆったりしたパンツ姿に、マキシ丈のソフトデニムのシャツワンピ…それだけ見ればカジュアルな大人女子って感じなんだけど……


そこにマッチさせたハワイアン風の革紐ネックレスとゴツイ木製ブレスレット、バカでかいサングラスと鍔広のハットのせいで、リゾート感が半端ない毛さんがいた。


山田と2人でセットだと、これから向かうのが岐阜の山奥じゃなくて、湘南か伊豆の海辺の別荘ですか?って聞きたくなる。




今回の宮村行きは、私と小豆と円、それから毛さんと佐久間さんと、佐久間さんのバイト先のカフェのオーナーと、山田の7人。


毛さんの旦那さんは事務所の留守番で、刑事の日暮さんは普通にお仕事。


山田が藤田君のご両親にも声を掛けたらしいけど、都合がつかないからと、今回はこのメンバーになった。


佐久間さんとオーナーさんは、別の用事があるから、昨日から前乗りで、名古屋回りで先に行ってるらしい。




そんなこんなで、カイ君不参加でテンションどこ行ったな感じで始まった、宮村行きだったけど


湖の見えるサービスエリアでランチして、岐阜に向けて出発する頃、佐久間さんからメールが届いた。


「え、可愛い!!」


「今から名古屋出ます」ってメッセージと一緒に送られてきた写真がめちゃくちゃ可愛くて、小豆と円に見せたら


「え、どれ?あ、ミニチュアダックスだ」


「このオジさん誰?」


小豆はミニチュアダックスに、円はオーナーさんに目が行ったみたい。


ミニチュアダックスを抱っこした佐久間さんが、車の助手席で自撮りしてるんだけど、その後ろで運転してるオーナーさんがチラ見してるみたいなカメラ目線で、佐久間さんの顔が超楽しそうで可愛いのだ!!


「どれどれ?見せて」


毛さんも見たそうだけど、運転中の毛さんにスマホを渡すわけにいかない。


けと、毛さんに見せるためとはいえ、助手席に座る山田に私のスマホを渡すのが嫌だったから、山田のスマホに写真を転送してやった。


「おやまあ。ふーん、なるほどねぇ」


「え、どうしたんですか?」


なんか1人で何かに納得してる毛さんの顔は、バックミラー越しにニヤついてるのがわかる。


探偵ならではの、気付いちゃったがあるのかな?


「2人で別行動って、そういうことねぇ」


意味深にニヤける毛さん。


「そりゃねぇっスよ。娘と従兄弟が行方不明だってのに」


対照的に、なんかちょっと不機嫌そうな表情の山田。


いや、何?


「あ、そういうこと?へぇー」


円はあんまり表情変わらないけど、何か納得したように、へぇーって言う。


そして、私と小豆はなんだかわからない表情を見合わせて、円を見る。


クソッ!!また頭良い組だけ理解しやがって!!


「わかんない?この2人の雰囲気見て」


と、毛さんが言ってくれるけど


「フンイキ?」


いや、佐久間さんがワンコを抱っこしてめちゃ楽しそうなのはわかるけど…。


メールのやり取りで、このミニチュアダックスのコタロウくんを迎えに行くって言ってたから、久しぶりに愛犬に会えたから……じゃないの?


「あっ!!え?そういうこと!?」


私がわからず、むーって唸ってたら、小豆はわかったみたい。


「なわけねぇだろ、こんな時によ」


そして、何故か半ギレの山田。


「わかんないよぉ、こんな時だからかもよぉ?」


キレる山田を煽る毛さん。


なんだ?なんだ?


わけがわからんぞ??


視線で小豆に助けを求めると


「たぶんなんだけど」


そう言って小豆は、手でハートマークを作って見せてくれた。


「え!?そうなの!?」


改めて写真を見る。佐久間さんはすごく楽しそうな笑顔だけど、そ後ろでオーナーさんは仏頂面な感じで、ラブラブって感じはしないけど……


「たぶん佐久間さん、ここにこうオーナーさんがいたら、こう撮ってるよ」


1人で後ろに座ってる円が、スマホを持って再現した姿勢は


「え、めっちゃ近っ」


そう思ってもう一回写真を見ると、確かにそんな距離感に見える。


「へー、そっかぁ。えっ、ラブラブじゃん!!」


みんなのお陰でやっと理解できて、しばらく車内は2人のラブラブっぷりを勝手に妄想する私たちで盛り上がった。


山田だけは、なんか不機嫌だったけど。


毛さんから、「佐久間さんのことが好きなの?」って突っ込まれて、そんなんじゃねーけどって言ってた。


そんなわけで私のテンションは、佐久間さんのおかげで、無事に帰って来てくれたのでした。




湖のサービスエリアを出て、少しして高速を降りると、車は住宅と田園がポツポツ広がる田舎道を走る。


「けっこう田舎に来ましたね。ここどの辺なんですか?」


と、円が言うと


「長野の松本ってとこだよ。松本城とか知らない?」


毛さんが教えてくれた。


そういえば、毛さんて長野出身だったっけ。


「聞いたことはあるけど、来たことはないです」


毛さんに円はそう答えるけど、私は来たことはもちろんないし、聞いたこともなかった。


「そっかそっか。まあ、まだここらは町の方だよ。これからもっと田舎に行くよ」


毛さんの言う通り、それから30分もしないうちに、車は山間の道に入って行った。


谷底みたいな川に沿って走る道は、一体どこへ続いて行くのかわからない、まるで本当にこのまま異世界に行っちゃうんじゃないかという雰囲気があった。


異世界……


佐久間さんが見た夢では、お兄ちゃんや藤田君たちは、こんな森の中でモンスターを捕まえて生活してるらしい。そう思うと、その辺からひょっこりお兄ちゃんが出てきそうな気がしてくる。


でも、私より年上の子供がいるっていうから、もうずいぶんオジサンになっちゃってるのかなぁ。


今回の、宮村行きのやり取りを佐久間さんとしてた時に、お兄ちゃんのことを聞いてみたけど、佐久間さんは夢に出てくる娘さん…ミユちゃんに聞いた話しかわからないからと、お兄ちゃんに関しては何もわからないことだらけだった。


ただ、藤田君とミユちゃんを保護してくれた人達のお父さんが、お兄ちゃんと同じ「ジョージ」っていう名前で、一応日本人ってことは確定してるから、もしかしたらお兄ちゃんかもしれないっていうだけで。


そんなこんなで、山の中をひたすら走り続けたけど、辿り着いたのは異世界ではなく、日本昔ばなしみたいな田舎にある、なんか古臭い旅館?古民家?


「へぇ〜、民宿だって。私初めてかも」


建物の玄関横にある看板を見て、円が言った。




毛さんが予約してくれた部屋は3つ。そのうち1つを、私たち3人で使って、1つは男部屋、もう1つは毛さんと佐久間さんで使うようだ。


それぞれの部屋に荷物を置いて、夕飯まで時間があるからと、村の散策に出かけた。


村って言っても、今は合併して大きな市の一部になってる。けど、確かに見渡す景色は村だった。


「あ、第一村人発見」


民宿を出てすぐ、畑仕事をするお爺さんを発見した。


「バーカ、それならさっきの民宿の人が第一村人だろ」


山田に突っ込まれた。なんかムカつくから無視。


「聞き込みは、明日からですか?」


円が毛さんに聞く。


「いや、別に決めてないよ。突っ込んだ話はある程度タイミングみるけど、触りぐらいならいいよ。こんにちはー」


円に答えた流れで、そのまま第一村人に声を掛けに行く毛さん。


さすが探偵、動きが早くて自然だ。


「昔ここらで神隠しがあったって聞いて来たんですけど。あ、私らそういう情報集めてるだけの、オカルト趣味サークルやってるんですけど」


「ああ?ああ、もう随分昔やけどな。ワシが30…40ぐらいやっただか」


ちょっと怪訝そうな顔をしたけど、第一村人のお爺さんは話してくれた。


「へー!!本当にあったんですね!!え、結局は何だったんですか?神隠しって言っても、本当にそんなのがあるわけじゃないですよね?なんか、実は誘拐犯とか拉致被害とか…」


「いんやぁ、もう昔のことすぎて、誰もなんも言わんくなったけぇ、結局何だったかは誰も知らねぇなぁ」


お爺さんと毛さんは、しばらくそんなやりとりをして、お爺さんが関係ない昔話とか語り始めて、頃合いを見計らってサクッと毛さんが話を終わらせた。


「ありがとうございましたー」


お爺さんにお礼を言って、また少し歩く。




「全員で固まっててもしょうがないから、二手に別れようか」


お爺さんと別れて、片側一車線ずつの、田舎にしては大きめの道の歩道を歩いてたら、毛さんがそう提案した。


「じゃあ、グーとパーで分けます?」


円が言って、みんな自然に手を前に出す。


おお、懐かしいなグーとパーなんて。高校生になってからほとんどやってないな。



この時は、私も暢気なものでした。



「グーとパーでわかれましょっ」


「うぇえええ!!なんで私が山田と!!?」


なんで!!ありえない!!何で私と山田がグーで揃うの!?何で毛さんと小豆と円が、3人でパーで揃うの!?


絶対に何かの嫌がらせだ!!こんなのありえない!!


「やり直し!!今の無し!!やり直し!!」


誰が山田と2人で聞き込みなんか!!


「え、いいじゃん、お似合いだよw」


「はぁ!?何言ってんの円!!」


「もういい時間だし、何度もやって時間潰すのもなぁ」


「え、ちょ、毛さん?」


「めんどくせぇなぁ、いいから行くぞ」


「おい、山田!!待て!!て、みんなも、待ってよ!!」


なんだかネタ合わせしたみたいな流れで、そのまま私は山田と2人で聞き込みすることになった。


チクショウ、解せん。




とりあえず、私と山田は大きい道を渡った向こうの集落に、毛さん達は脇道の方にそれぞれ歩いて行き、私と山田はやがて畑仕事をするお婆さんを見つけた。


「お前、声掛けろよ」


「は?あんたが行けばいいじゃん」


「婆さんなんだし、女同士の方がいいだろ」


「いやいや、ここは男を見せろって」


「そういうの男女差別って言うんだぞ」


「はあ?今そういうの関係ないしっ!!」


て、やってる間にもお婆さんは近付いて来る。いや、私達がおばあさんに近付いて行ってるんだけど。


「ちょ、どーすん……おい、山田ぁ!!」


「何だぁ、見ん子らやなぁ」


どっちが声を掛けるのか、山田に聞こうと思ったら、いつの間にか後ろの方にいやがった。


でも、お婆さんに話しかけられちゃったし、これって絶対私が話さなきゃダメなやつじゃん!!山田め!!覚えてろ!!


「あ、えと、こんにちは。あの、えっと……私達ぃ、あの、オカルト?みたいな話を集めてましてぇ」


超緊張しながら、とりあえずさっきの毛さんを思い出してマネしてみる。


「オカモト?」


「あ、いえいえ、オカルトです」


「オカモトっちゅうのは、ここらにゃおらんよ」


いやいや、オカモトさんて誰だよ。オカルトだよ。


「オカモトじゃなくてオカルトなんですけど。オ・カ・ル・ト、わかります?超常現象?っていうか、なんかナゾ現象みたいなやつ?」


オカルトとオカモトさんを聞き間違えたお婆さんに、何とか必死にオカルトを説明しようとしてると


「すんません、昔このあたりであった行方不明事件について、何か知ってる事はありませんか?」


横から山田が割り込んで来た。


何だよ!!だったら最初からお前が声掛けろよ!!


「なんやようわからんけど、オカモトいう人は、高山の方行ったらおるんじゃないか。あんたら、どっから来ただね?ここらじゃ見ん子らやねぇ」


ていうか、お婆さん全然こっちの話聞いてねぇし。


「あ、えと、神奈川県の…」


こっちの言いたいことはうまく伝わらないけど、とりあえず聞かれたことには答えておこう。


「カナガワ?」


怪訝そうな顔で首を傾げるお婆さん。ちょっと可愛い。


けど、えと……神奈川がわかんない?


「横浜の方ッス」


山田が言った。私達は横浜じゃないけど、全国的には神奈川県より横浜市の方が知名度があるらしいから、神奈川わかんない人にはとりあえず横浜って言ってみるのは、神奈川県民あるある。


「ああ、横浜っちゅうたら、東京の方から来ただか。ほいだら、ここらは酷い田舎じゃろう。ハッハッハッハッ」


「いや、東京と横浜は違くて…」


横浜と東京一括りとか、どんだけざっくりした地理だよ。ダメだ、このお婆さん疲れる……。


その後しばらく、おばあさんのペースに飲まれて、私と山田はひたすら「へー」とか「ほー」とか言ってた。


なんとかお婆さんから解放されて、今度は犬の散歩をしてるオジサンがいたから、話しかけてみた。


お婆さんよりスムーズに話ができたけど、オジサンは当時まだ小さかったみたいで、よく覚えていないとのことだった。




「なあ」


「何?」


「ド田舎って、陽が沈むの早ぇんだよな」


散歩のオジサンと別れて、また歩き出してちょっとしたら、まだオレンジ色にもなっていない、山の向こうの空を見ながら山田がそう呟いた。


つられて私も山田と同じ方を見て、そこで初めて自分達が山の影にいることに気付いた。


「陽が沈んだってより、山の影になっただけじゃない?」


「まあ、そうとも言うけど…」


そのまま黙る山田。


お前から話振って黙るなよ。


「つかさぁ、そもそも人とすれ違うこともねーようなこんな田舎道でさぁ、どうやって聞き込みしろっつーの」


と、思ったら、しゃべった。


まあ、確かに。あっちの大きい道は、多少車も通るけど、歩いてる人はマジでいない。


「帰る?」


最初のお婆さんで疲れ切っていたせいもあって、実際私もモチベはなくなってたから、自然にそう聞いてた。


まあモチベなんぞ、山田とペアになった時点で、ほぼなかったけど。


「んー」


帰るって即答すると思ったら、なんか唸って考えだす山田。


「もうちょっと、あの橋の所まで行ってみよ」


山田が指差した橋は、言われて気付くぐらい遠くにある橋。


「遠っ。人いないし」


そしてそこまでの道に、もちろん人影はない。


「あそこ行くまでに、誰か通るかもしれないじゃん」


「そう?」


反論するほどの理由もないし、そのまま山田のちょい斜め後ろを歩く。


佐久間さん達、民宿に着いたかなぁ。


そういえば、毛さん的には佐久間さんとオーナーさんは付き合ってるかもって言ってたけど、それなら2人で一部屋使わせてあげたりしないのかなぁ。


せっかく3部屋とってるなら、良いような気もするけど。


「巴奈さんもう来てるかなぁ」


私が佐久間さん達のことを考えてたら、偶然山田も佐久間さんの名前を出した。


確か、ハナさんは佐久間さんの下の名前だ。


「山田は、昔から佐久間さん知ってるの?」


「ん?ああ」


適当な返事。まあいいけど。


て、思ってたら


「初恋…かな」


「はっ!?なっ、へ!?なんて!?」


初恋!?急にどうした山田ぁ!?


そんなゆるいテンションで急展開過ぎるぞ!!


「中学ん時にさ、初めて会って一目惚れ…だったと思う。今思えばな」


「へぇ……」


てか、中学で初恋って、遊んでそうな雰囲気のある山田にしては遅い気がする。


そこから山田が佐久間さんとの思い出とか、いろいろ語る……って展開はなかった。


「お前は?てか、本気で哀原のこと好きなん?」


俺が話したからお前も話せ、的な感じで聞いて来た。


「そりゃもちろん。ニワカファン共といっしょにされちゃ嫌だね」


まあまあ公言してるから、今更隠したり恥ずかしいなんてことはないけど…


男子とこういう話したことないから、なんかちょっと変な感じ。


しかも、その相手が山田とは。


「ふーん……。そっか」


「?」


また、話振ってきたクセに黙る山田。


なんだ?なんかいつもの山田ノリじゃない感じだねぇ。


お喋りな私だけど、沈黙が耐えられないって程じゃないから、そのまま黙って歩いた。


時々山田が、「哀原のどこがいいの?」とか「いつから好きなん?」とか聞いてきて、それに答えるぐらい。


橋の25mぐらい手前で、人どころか民家も無いから、私達は宿に引き返した。


結局、山田と無駄に歩いただけで、なんにもわかったことなかったなぁ。


佐久間さん達、来てるかなぁ。

いつも【勇者でもないのに魔王を倒してしまって申し訳ありません】をご閲覧いただきありがとうございます。

書き溜めが少なくなってきたのと、この話を投稿予約している段階で年末年始の多忙な時期に入ってしまったため、またしばらく投稿休止とさせていただきます。

元々1〜2章で終わらせるつもりだったローレンスの過去編ですが、思いの外長くなってしまい、なかなか話がまとめられずグダグダになっているのを、なんとか立て直しているところです。話の着地は決まっているのですが、そこに至る過程で、ラフ案段階で気付かなかった数多の矛盾が見つかり、手直しに手直しを加えまくった結果こんなに長くなってしまいました。また、閑話として書いている現代のシリーズも佳境に入って来ているのですが、こちらはもう南子たちが勝手に盛り上がってしまっていますので、果たして本編に合わせてちゃんと終われるのか!?と心配になっているところです。

とりあえず、またある程度書き溜めができたら投稿を再開する予定ですので、こんな拙い作品でも読んでくださっている方が1人でもいらっしゃれば、途中で諦めることなく書き切りたいと思いますので、いいね等リアクションをしていただけると、モチベーションになって投稿再開も早まるかもしれません。

遅くても春には再開の予定ですので、それまでお待ちください。

誤字・脱字、矛盾点等ありましたら、ご指摘頂けると幸いです。

2025.12.31.ZIRO

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