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セント・フリークス  作者: 羊洋士
一章
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7/25

ロバートとの訓練

物語を始めます。

トゥーニナを出ると平原とその地続きで遠くに山がある。

季節によって青々とした草が風にあおられて波打っている。

その太陽の光を沢山受けた草の合間を縫うようにして回廊がある。

その回廊は商人や旅人達が行き来している。

その平原に一際大きな木が生えている場所がある。

街から少し歩いて回廊から外れた丘だ。

そこを知っている街の人はたまにピクニックに訪れたりもする。

そんなところに2人の男がいた。

1人はシュウジという少年。

もう1人は青年だ。

背は高く、黒色の髪をしている。

服は黒い長袖を着ていて極力肌を見せない格好だが、服の上からでも鍛えられていることがわかる。


「さて、始めるか。シュウジ」


「ロバート。ごめんね。帰ってきたばっかりなんでしょ?」


シュウジは学園が終わって4人で帰っていた。

その後皆それぞれの向かう場所に行った。

シュウジが向かう場所はギルド支部で、そこでたまにこの青年に聖術を教えてもらっている。


「まぁ気にするな。若手育成も仕事のうちだ」


ロバートといわれる青年は顔色一つ変えずにそう呟いた。

ロバートは顔色をあまり変えないため、始めのうちは恐いという印象があった。

だが、知り合っていくにつれて、周りに配慮ばかりしている不器用な人間という顔が見えてきた。

その時点でシュウジが抱いていた恐いという印象がまるでなくなっていた。


「それより、お前まだ出来て無いのか?」


「うん。どうすれば出来るかわからなくて」


ロバートに教えてもらえるようになって数ヶ月経った。

その間も根気良く訓練に付き合ってもらっているが、未だにできていない。

すぐに出来るようになる。

そう言ってくれたロバートに対して、申し訳ない気持ちが出てくる。


「まぁ気長にやれっていうのは酷か。焦りすぎると出来なくなることは覚えておけ」


「うん」


ロバートはシュウジの持っている劣等感について聞いてこない。

だが、気付いているかもしれないと思うときがある。

実際自分が焦っていると自覚させてくれたのはロバートの言葉だった。


「俺の感覚だと出来るようになるって言うより、自然に出たの方が近い。とりあえず基礎体力上げとけ。必ず役に立つ」


「分かった」


「おーい2人とも!順調?」


ロバートとシュウジに声をかける人影がある。

アリサだ。

アリサは大きなバスケットを片手に下げ、大きく手を振っている。


「順調もなにも、今始めたところだ」


ロバートは静かに言った。


「あそっか!分かってたけどごめんね!ロバート君」


「このぉ」


ロバートは顔は無表情だがこめかみの血管が浮き出ている。

そういう特徴で言えばロバートは分かりやすい。

アリサはロバートをいじるのが好きなようだ。

それを気付いたのは2人と話し始めてしばらくした後。

年齢で言えばアリサの方が下だ。

目下には分け隔てなく接するのがロバートの癖だが、アリサに対しては少々違う。

アリサは、ギルドの長の末娘なのだ。

だから、始めはかなり気を使っていたらしい。

当のアリサの方はロバートが自分を特別視していると気付くとニヤリと笑ったらしい(ロバート談)。

強く出れないロバートを弄り回し、あるときロバートはキレた。

怒鳴ってしまった言っていた。

アリサは怒鳴られたことに嬉しさを感じて、そ方の時からアリサはロバートに友人になったという。

全部伝聞だが、ロバートの態度を見ている限り実話である事は容易に察することが出来る。

そういう歴史が2人にはあるのだ。


「アリサさん。ギルドの方は

いいの?」


「うん。今日の分は昼間に全部片付けたから。ロバートが」


「お前は横で優雅にお茶飲んでやがったよな。やはりと思ってたが急ぎの仕事など無かったんだな!!」


「もちろん!!この平和なトゥーニナで急ぎなんてあるわけないじゃん!!もうロバートたらせっかちさん」


そういってアリサは笑った。

ロバートの方はこめかみの血管がぴくぴく動く。

ロバートが何かを言おうとした瞬間にアリサが口を開く。


「あとロバートに言いたいことがあってね。頼まれてたものは全部揃えたよ。特殊術式符と簡易爆砕セットとかって一両日中に揃えるの苦労したなぁ~」


ロバートがその言葉を聞いて怒りが吹き飛んだ。


「はぁ!?アレはそんなに簡単に手に入るものじゃないだろ!!どうやった!?」


「私だってギルド員なんだからそのくらいのつてはあるわ。それにロバートの頼みだもの。急ぎたいと思ったの。後新品のグローブもサービスでプレゼント。もう仕事用はボロボロでしょ?」


アリサは微笑んでいた。


「確かにボロボロだけど何で分かった?こっちきて一回も使って無いぞ?」


「そんなの時期と仕事内容を見れば簡単よ。誰がこの前の仕事回したと思ってるの?」


この辺の仕事の管理は全てアリサがやっている。

トゥーニナだけでなく隣町や商社がよく行き来する街の仕事も一部管理している。

ギルドの末娘は有能なのだ。

兄弟の誰よりも。

ロバートが表情を変えないが確かに喜んでいるのは分かる。


「こうやって、熟練のギルド員達の手綱を握っていったのか・・・!」


「何か言った?シュウジ君?」


「いえ!何も言ってません!!」


「フフフ。何で敬語なのよ。私に敬語なんて使わなくていいのよ」


そういってアリサは笑う。


「まぁ伝言も終えたし、私は木の下で休んでるわ。休憩になったらそこにおいで。お茶とか持ってきてるから」


そういってアリサは大きな気に向かって歩いていった。


「なぁシュウジ。俺って情けなく見えるか?物で簡単に釣られてるんだ」


「いや。ロバートは立派だと思うよ」


「そうか・・・」


そういって言葉を噛み締める。


「よし、始めるぞ!!基礎体力は俺もするからついて来い!!」


「わかった」


そうしてトゥーニナ外周マラソンが始まった。

ロバートは息も乱れず何週もした。

シュウジはロバートについて行けず、何時間か走った後平原に倒れた。

2人の訓練は日が沈んでも休み一つ取らず続いた。


ロバート=面倒見のいい兄貴肌=とっても可愛いの(アリサ談)

ギルドの長の兄弟=兄弟が各ギルド支部を管理している。その中でアリサは一番辺境にいる。

そのためアリサは表にでることは少なく隠れ人気者化

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