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セント・フリークス  作者: 羊洋士
序章
5/25

聖術実技講義

授業風景でございます。

「聖術・召還術の講義を始めます。理論は以前に話しましたが・・・」


高齢の女性教師が講義を始める。

場所は学園の中にある小さな教室だ。

四角の教室に生徒数十名を押し込めての授業。

机がなく、椅子だけ並べられた部屋なので数十名入っても狭いという感じはしない。

ぽかぽかした木漏れ日と小鳥の鳴き声が入ってくる。

窓から外を見ると緑の青々とした木々が光を浴びて輝いている。


「ねぇシュウジ。この話って毎回やる意味あるのかな?」


そういってくるのはマリーだ。


「さぁ、常に心においていて欲しいんじゃない?」


「といっても、今の授業は実技じゃない。それなのに理論とか座学の領域を言ってもあんまり意味ないわ」


「なんでも始まりの儀式っているんだよ。少しは付き合ってあげなよ」


「そう言っても・・・」


マリーは時間を無駄に使うのを嫌う傾向がある。

それは他人にも押し付けるという強迫的なものではないが、他人より少しその傾向が強い。

自分が出来る範囲で、無駄だと思うことを省略している。

その点で、バイトで色々重宝されているらしい。

といっても、マリーのバイト先は店長とフレンドリーなので、身内贔屓が入っているかもしれない。

というか、その店の店長がマリーを気に入りすぎているので、正確な証言は取れないが。


「シュウジのその儀式って考え方ってお家柄?お国柄?」


「どっちかって言うとお国柄じゃない?俺はこっちで生まれてるから良く分からないけど」


「そうなんだ」


そういって彼女は納得する。

講師が講義を続ける。


「皆さんにこの講義でやってもらいたいのは、瞑想に近いものです。それによって自分の聖術を知り、コントロールできるようにするものです」


そういって、講師が手を叩いた。

するとその叩いた手の音と重なるように、淡く光る波が広がる。


「領域を作成しました。この領域では皆さんが今からする、自己との対話を促進する力があります」


聖術は自己との対話が一番重要であると言われている。

聖術の現れ方は個人で異なる。

どのような術であるかは個人の才能と個性によって変わるのだ。

術を使いこなす人からすれば、"術を使うときはもう1人、自分の中にいる"という。

その経験則もあって、自己との対話というか、もう1人の自分のサルベージがこの瞑想での目的となる。


「あー暇だなぁ。この授業。時間が勿体無い」


マリーはこの入門である術の顕現をすでにクリアしているので、事実上この時間はここにいるだけで評価される。

入学して数ヶ月間で、その域まで達するのは稀であるため、必須科目としておかれている。

彼女は優秀であったため、そのことが逆効果になった。

数名は初めから出来ている人達はいるものの、一日目にして出来た生徒は珍しい。


「マリーはもう出来ているもんね」


「そうねぇ。こんなのは考え方っていうかなんていうか・・・。出来るときは一瞬で出来るわよ。こんな領域つくらなくったって」


彼女は眠そうに答えた。


「じゃあ私は寝るわ。時間になったら起こして。あなたも寝ているなら諦めるけど」


「俺はまだそんなに余裕が持てない」


「んじゃさっさとやってさっさと寝てればいいじゃない」


「出来たらそうしたいなぁ。バイトのために体力残しておきたいし」


「あなたならすぐできるわ。出来るって気持ちと自分は1人って気持ちがあれば一瞬よ。ふぁ~。おやすみ」


彼女はあくびをして眠りに入った。


「おやすみ」


眠りに入った彼女を横目に自分も目を閉じる。


「できる・・・か。本当にできるのか?」


そう1人で呟いた。

そうして瞑想が始まる。

そこはまぶたを閉じると当然ながら暗闇の世界だ。

シュウジはそこで今朝の夢を思い出した。

あれはなんだったんだろう。

そう考えていても分からない。

昔の記憶を見ているにしては奇妙だった。

まるで自分の目で見ていることではないような思い出し方だった。

もしかしたら、それは聖術の夢ではないかと言う期待もある。

だが、現実に出来ていないのだから関係性はあるかどうかわからない。


「ん?関係あるなら今寝ればあるいは・・・」


寝る口実を考え付いたようで後ろめたさがある。

シュウジがどんどん考えている間に時間だけは過ぎていった。

講師=老婆=聖術の権威

店長=小さなカフェの店長=マリーラブラブ!!(本人の供述)

ジョニィもマリーと同じサボり

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