十三話 全能-omnipotent-
職業が神になっているのは取り敢えず置いておいて、名前が俺の本名になってる!?
そんなこと…
あぁ、はい、書かれていました。
見事にメニューウィンドウの所に。
燦然と輝いてみえます。
プレイヤー名…“ナユタ”
の文字が…
もうそれについて考えることを放棄して、別のことに意識がいった。
そう、何故回復魔法が使えるかということである。
単純に考えれば、神という職業に回復魔法があるからだ。
ただ、名前の件もあるからどうもそうとは言い切れない何かが感じられる。
そう思いスキル欄を開くと…
そこは桃源郷だった。
俺の知っているすべてのスキル(すなわちゲーム内のすべてのスキル)が職業毎に並んでいたのだ。
このゲームでは初めて転職した時に五種類の中から三種類スキルを覚える事が出来、レベルが十の倍数に達する度にそれまで行ってきた行動によって異なるスキルを三種類の中から二種類覚える事が出来る、という設定になっている。
「それまでに行ってきた行動によって」というのは、例を挙げると
「魔法職で、
敵を状態異常にする戦闘方法で戦っていると状態異常魔法が
一撃の火力が大きい魔法で戦っていると火力特化魔法が
支援魔法をよく使って戦っていると支援魔法が
選択肢の中に出てくる」
と、いうことだ。
だから例え同じ職業のプレイヤーでも、全く違う構成のキャラクターが出来上がる。
神という職業の異常性がお分かりになっただろうか。
おぉ、神とはなんと素晴らしいのか!!
これが!優・越・感!
と感激していると。
ユーリさんが
「先程はナユタ様が神様だとは知らずに話しかけてしまい誠に申し訳御座いませんでした!
ですが。
おこがましいとは思うのですが、一つ願いを聞き入れては下さいませんでしょうか?」
うーむ…確かこのクエストは毒にやられた村人を回復魔法で治すものじゃなかったっけか。
それならすぐに終わるし、丁度聞きたいこととかたくさんあるからついて行くか…
「もちろんいいですよ。
もしかしたら、毒に侵されている村人が居るのではないですか?」
これで神感が出ただろうか。
予言的なね、神がかったことがね、出来ちゃう的なね。
「いえ、実は私の妹が病気で倒れたままずっと苦しそうなんです。
一日中咳をして、熱もあって…
ここ一カ月ほど起き上がれていないのです。」
あれ、違ったか…
記憶違いだったかな?
けど今何て言った?
一か月起き上がれていない???
それ大分重症じゃないか!
回復魔法って病気にも効くんだろうか…
取り合えず行ってみよう!
「病気ですか。
今すぐ行きましょう。
私が出来る事なら何でも致しましょう。」
そう言って彼の肩を叩いた。




