表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/18

2


「西野さんは、お子さんとかいるんですか?」


 休憩時間は一時間。五時間働いて、一時間休憩して、また五時間の、計十時間。時給はそこそこ。

 その休憩時間、コンビニの弁当をつつきながら、何でもない風を装っていきなり核心を突いてみる。


「なんで……そう思うんですか」

「いや、その、なんとなく、ですけど。教えるの上手いなあ、って」


 西野芳樹。年は三四。西野美弥は二三歳の時の子供だ。

 どこか頼りない印象を受けるが、それが余計に「優しいおじさん」像を強めていた。

 しばらく、お互い無言でコンビニ弁当をつついた。根競べなら負けませんよ、と。


「…………娘、が、一人」

「はあ、娘さんですか! こんな優しいお父さんがいたら幸せ者ですねえ」


 顔色を窺う。変化なし。なるほど。ちら、と視線を流し、箸を握る右手に。

 箸が割れそうなくらいに力が入っている……

 それに気づかないふりをしつつ、更に言葉を繋げていく。


「まあこの通り、真夜中の仕事ですから……なかなか会えないのが残念ですね。平日の昼間は学校でしょ? 娘さん、何歳ですか?」

「……確か、あ、えっと、いや」


 確か、ね。


「今年小学五年生になりました」

「五年生ですか。反抗期とかもまだですよね?」

「……ええ。まだ、です」


 それからも、いくつか質問をして……休憩時間は終わる。この仕事では、それ以上の収穫は望めそうに無かった。明日からはもう、この仕事をやるつもりはない。

 まあもし来るとしたら……その時は、こいつを――西野芳樹を、「どうこう」する時だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ