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ネットマンション  作者: yiyi
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9/10

BLACK

3人は工藤和彦の情報を管理人からもらった。

それには東京都内の☓☓病院で働いていたことになっている。

ここに行けば何か分かるかもしれないと思い、3人はその病院へと向かった。

その病院はすでに使われておらず廃病院となっていた。

空は薄暗く朝になろうとしているのに、その地一帯はどんよりとしている。

3人はフェンスを越え、老化した病院の入り口のドアノブを握り開けた。

中は懐中電灯がないと前は見えないほど暗かった。

伸達は来る途中に万が一に買った懐中電灯をつけた。

そして3人は恐る恐る進んだ。

この病院は総合病院で広すぎるため守とリサ、そして伸の二手に分かれ何か手がかりがないか探した。


しばらく探したが、工藤和彦の情報は何も掴めず最後に受付室を調べるためにリサと守は向かう。

リサは大量の患者の資料を手に取り、一枚一枚見た。

そしてある一枚の資料に目をやった瞬間、リサの目は見開き喉はカラカラで、冷や汗をかき息をするのを忘れる。

リサはこのことを守に知らせるために周りを見回したが、守の姿はなかった。


守はトイレを探し、近場のトイレを見つけると急いで中に入った。

「あ~あぶねぇ~漏れるところだった~。やっぱりこういう所は怖いな~」

守が用を足していると突然、男子トイレの扉がゆっくりと開く。

そこには守の知らない人物が立っていた。

「あんた誰だ?」

「おまえ・・・俺の姿が見えるのか?」

その男は守の方へ走り襲い掛かる。

守の叫び声が病院中に響く。

その声を聞き、リサはトイレへ向かい扉を開けた。


そこには倒れている守とそれを見る伸がいた。

「リサさん・・・守君が」

リサは伸を睨みつけて言った。

「あんたがやったんでしょ?」

「え?何言ってるんですか?」

リサはポケットから一枚の患者の資料を取り出し伸に見せた。

「林田伸・・・いや、工藤和彦・・・」

その紙には林田伸の名が書かれていた。

「はっ?どういうことですか?」

何も知らないフリをする伸にリサは真実を突きつけた。


「昔、ここに精神に異常がある患者が運ばれた。その患者は自分の事をこう呼んだらしいの・・・」


「工藤和彦・・・と」


「その患者はあなたよ・・・林田伸」


混乱する伸は頭を抑えながらしゃがんだ。

「ぼくは・・・違う、こんな病院しらない・・・ぼくは、くどうかずひこ・・・じゃない」

「いいえ、あなたは連続殺人鬼の工藤和彦よ」

「ぼく・・・俺は工藤和彦じゃない!!」

伸は叫びながら立ち上がり、その後肩から頭の天辺までガクッと力が抜けてうつむいた。

その場は静まり返る。

「のぼる?」

リサが声をかけると、伸は上を向いて大声で笑った。

笑い声は伸ではなく、また顔も違う気がする。

そして伸が前を向いた瞬間、リサは凍りついた。

薄暗いトイレの中でも伸の顔が違うのがはっきりと分かる。

「あなた・・・誰?」

「言ったろ?また会えるって・・・俺はこいつが生んだモンスターだ」

リサはここから逃げないと死ぬと察知したが、足は恐怖で硬直して動けない。

工藤和彦は一歩一歩リサに近づく。


「お前はどうやって殺そうか?刺すか?首を絞めるか?」

リサは心の中で動け動けっと何度も念じた。

倒れていた守が工藤の足を掴み、動きを止めた。

「はやく逃げて!」

守のおかげでリサは動けるようになり、その場から逃げた。

「なんだお前まだ生きてたのか?」

工藤は手に持っている懐中電灯で守を何度も殴り息の根を止めた。


リサはこの病院から出ようとしたが、玄関は鍵が閉められていてとっさの判断で適当に病室を選びそこに息を潜めた。

「り~さ~どこにいんだぁ~」

工藤和彦の声が徐々に近づいてくる。

リサは傍に落ちていた鉄パイプを手に取り、待ち構えた。

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