第9話ハンバーガーパニック(下書き)
9話と10話は書き直しします。何度書いても満足できないので。涙。特に10話と11話は書きたいことが多すぎて全然進まない
崩れ落ち涙を流す召喚されし、いにしえの…長いから
デーモンさんでいいや。
デーモンさんをウィルや他のメンバーが慰めている。
メイドさんとリップは何か言い合いながら、
お構いなしに先へと進む。あいつら…。
その集団の中に、魔物のビッグボアのような巨体もいた。
だが、その姿は奇妙で毛並みは、鈍い光を放つ、
鋼鉄の外殻だ
「あれは、ビックボアのゴーレムか?」
そのゴーレム製のビッグボアのような巨体は、
よく見ると無惨に丸焦げだった。
「凄いな……火炎系魔法で仕留めたのか?」
外殻は黒く炭化し、側面には歪んだ取っ手付きの扉隙間から、黒い煙が細く漏れている。
アルファのつぶやきに、ウィルが顔をあげる。
目からウィーンというズーム音が聞こえる。
「あの子は『キッチンカー』っていう名前の……」
「……モンスターの名か? 聞いたことがないな」
「違う違う、モンスターじゃなくてね――」
ウィルが、静かに言葉を継ぐ。
「『ハンバーガーパニック』それが、この機械に
背負わされた宿命だ」
ウィルは語った。この機械、キッチンカーに刻まれた、過酷な運命を。
お客の注文通りに、完璧なハンバーガーを作る。
だが注文はとても細かい。パティの焼き加減。
トマトやピクルスの追加と順番とソースの種類に量。
細かすぎるトッピング指定。
さらにポテトやドリンクなどのサイドメニュー。
容赦なく押し寄せる注文の波。
チュートリアルがなく、最初から100人程の注文が入り、ひとつでもミスが出れば、鉄板が焦げる。
さらにミスが重なれば、キッチンは炎上。
そして――規定回数のミスで、キッチンカーは炎上し
廃車。いわゆるゲームオーバー。
神、つまりスマートフォンのユーザーは、
パッケージに映ったセクシーな水着姿の金髪のお姉さんに釣られてアプリをダウンロードする。
だが、そんな女性は本編には一切登場しないのである。
「いわゆる詐欺広告ってやつさ」
ほとんどまともに料理を提供できないまま、
彼は削除された。
そして、この“ゴミ箱の世界”へと落とされたのだ。
キッチンカーの外には、割れたディスプレイがある。
時折火花が散り、そこには、【CLOSED】の文字が
点滅しており、最後の文字が浮き上がる。
「みんなに温かいご飯を提供したかった」
アルファは、煤で汚れた車体にゆっくりと歩み寄る。
キッチンカーは喋らない。
今日初めて見た、異世界の機械。
自分には手に負えない高度な技術かもしれない。
だが、このまま見捨てることだけはできなかった。
「……直せないものは、この世にねえよ」
アルファは鞄から、重厚な金槌を取り出した。
「キッチンカーだかなんだか知らないが……俺が直してやる。これでも俺は、鍛冶屋だからな」
彼は鞄から、愛用の金槌を取り出す。
「鉄の機嫌を取るのだけは、神様より上だ」
俺は迷いなく、金槌を高く振り上げた。
漆黒のゴミ箱の世界に、熱い火花と、命を呼び覚ます
槌音が響き渡る。
その作業を、誰も言葉を発さず、ただ静かに見守っていた。
ゴミ箱世界の静寂を切り裂くような硬質な音が響く。
普通、炭化した鉄板を叩けば砕け散るはずだ。
だが、アルファの槌が触れた瞬間、そこから
黄金色の火花が激しく飛び散った。
一打ごとに、奇跡が起きる。
ベコベコに凹んでいた側面が、まるで生き物のように「ポコン!」と音を立てて内側から押し返され、
元の滑らかな曲線を取り戻していく。
真っ黒に焦げ付いていた塗装が、
槌音に合わせて剥がれ落ち、
その下から鮮やかなケチャップ・レッドと
マスタード・イエローの車体が顔を出した。
カカカンッ! とリズムを刻む槌音は、
次第に軽快な音楽のようになっていく。
壊れていた上部のディスプレイがチカチカと点滅し、
ノイズまじりの文字を映し出した。
【開店準備中】車体の奥から、
止まっていた心臓が動き出すような重低音が響く。
デーモンさんも、涙を拭いて呆然とその光景を見上げていた。
最後の一撃。アルファが車体のフロントを力強く叩くと、キッチンカーのヘッドライトがカシャリと開き、
まるで「おはよう」と言うようにパチリと瞬きをした。
ディスプレイの文字が、鮮やかな虹色に変わる。
【 OPEN 】アイドリングの心地よい振動を響かせ、
窓口のカウンタを「ガチャン!」と
威勢よく開いてみせたのだ。
楽しげな調理器具の奏でる音が響き始めた。
アルファの槌音が止まり、静寂が訪れる。
キッチンカーは喋らない。
だが、そのデジタル文字が「アリガト」と流れた瞬間、ハザードランプがパチパチと嬉しそうに瞬いた。
「おい、動いたぞ!」
アルファが声を上げると、掲示板の文字が激しく点滅た。




