第87話:志乃の電子迷宮。愛の演算は不可能を可能にする
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支配者となった阿久津君の熱を受け、志乃の才能が「掌握」へと覚醒します。
学園というシステムを、愛という名の暴力的な演算で塗り替えていく彼女の姿をご覧ください。
阿久津の指先が、志乃の首筋を優しく、けれど支配的に愛撫した瞬間。
彼女の脳内に構築された電子迷宮は、阿久津の情動を「絶対解」として取り込み、世界を書き換えるための神の演算器へと変貌した。
「……阿久津君の熱が、私の回路を焼き切って……新しい理を構築した。学園の全システム、掌握完了」
志乃が端末に触れるまでもない。
彼女の瞳から溢れ出した黄金の演算光が、虚空に無数のホログラムを展開し、学園中枢のセキュリティを一瞬で自身の「僕」へと変えていく。
一ノ瀬たちが誇っていた鉄壁の防御壁は、志乃の放つ「阿久津への執着」という名の超高密度な情報量の前に、ただのノイズとして霧散した。
「っ、なんだ……!? 監視カメラから火災報知器まで、すべてが我々に牙を剥いているだと!?」
驚愕する一ノ瀬の声を、志乃は冷徹な眼差しで一蹴する。
学園中のモニターには阿久津の姿が映し出され、ロックされた扉は阿久津以外の通行を拒絶する。
「この学園は今、阿久津君を愛するための『檻』に最適化された。……邪魔なノイズは、すべてこの迷宮の塵になればいい」
志乃の指が空を舞うたびに、学園の構造そのものが組み変わり、敵対者を底なしの電子の闇へと引きずり込んでいく。
もはやそれはハッキングではない。一人の少年に魂を繋ぎ止めた少女による、現実世界の完全なる**掌握**。
「あ、ああ……っ! 阿久津君の情動を計算するたびに、私の中が、愛で壊れそうになる……っ!」
志乃は阿久津の腕に縋り付き、熱い吐息を漏らしながら、その絶大な演算能力をすべて「彼を独占するため」だけに注ぎ込んでいた。
学園という巨大なシステムは今、阿久津を王として、志乃をその参謀とする、終わりなき背徳の迷宮へと変貌を遂げていた。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
阿久津君の情動を「理」として取り込んだ志乃にとって、もはや不可能という文字は存在しません。
学園を完全に**掌握**した彼女たちの反撃。次話は、聖母の皮を脱ぎ捨てた聖奈先生の「究極の浄化」が描かれます。
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