第67話:凛華と結衣、招かれざる「四人目」の登場
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ついに一堂に会した四人のヒロイン。
阿久津君を巡る、世代と立場を超えた「所有権争い」がついに本格化します。
保健室の静寂を切り裂いたのは、荒々しく扉が開け放たれる音だった。
「……随分と長居をしているのね、阿久津君。ただの『休養』にしては、部屋に満ちている魔力が濃厚すぎるわ」
氷のような冷気を纏い、佐藤凛華が足を踏み入れる。その瞳は、阿久津の唇に残る微かな赤みと、ベッドの上で呆然と頬を染める志乃を瞬時に捉え、極低温の殺意を宿した。
その後ろからは、結衣が焦燥を隠しきれない様子で続く。
「阿久津君! 私の脚、まだあなたの『調整』が必要なのに……こんなところで、何してるのよっ!」
結衣の嗅覚が、志乃の体から立ち上る「阿久津の情動の残り香」を逃さず嗅ぎ取った。
凛華と結衣。阿久津という唯一無二の供給源を分け合っていた二人の女王にとって、志乃という「不純物」の介入は、自身の生存圏を脅かす宣戦布告に他ならなかった。
「……システムエラー。招かれざる客が二名」
志乃は無機質な瞳に、阿久津から分け与えられた黄金の光を灯し、迎撃の構えをとる。
「あなたの情動(熱)は、私の演算の核。……誰にも、一滴も渡さない」
さらに、カーテンの奥から聖奈先生が、白衣を揺らしながらゆっくりと姿を現した。
「あらあら、廊下まで聞こえる喧騒ね。……凛華ちゃんに結衣ちゃん。ここは私の『聖域』よ。阿久津君の毒を浄化できるのは、大人の私だけ。……子供たちは、大人しく順番を待ちなさい?」
四人のヒロインが、阿久津を包囲するように対峙する。
氷の魔力、爆速の熱量、電子の毒、そして聖母の吸魔。
阿久津一人を巡る「所有権」の激突。保健室の空気は、彼女たちの剥き出しの独占欲によって、今にも爆発せんばかりの過剰な魔力に満たされていった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
凛華と結衣の焦り、志乃の狂気、聖奈の余裕。
四人それぞれの「阿久津君なしでは生きていけない理由」が交錯し、物語は四つ巴の混戦へと突入します。
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