第5話:まさかの大成功。もっと、私で……「喜んで」?
お読みいただきありがとうございます。
圧倒的な成功体験が、凛華のブレーキを壊していきます。
「強くなるため」という免罪符を手に入れた彼女の暴走をお楽しみください。
翌週に行われた学内の実技試験。佐藤凛華の演奏は、文字通り「次元が違った」。
審査員の教師たちは言葉を失い、静まり返った講堂に彼女の奏でる旋律だけが、暴力的なまでの美しさで満ちていく。
その光景を、俺は舞台袖の暗がりから見つめていた。
凛華の視線が、一瞬だけこちらを射抜く。その瞳には、俺にしか分からない熱い期待と、激しい渇望が宿っていた。
(……すごい。佐藤さん、本当に別人みたいだ)
俺が素直に彼女の美しさに感嘆し、心が震えたその瞬間。
凛華の指先から放たれる魔力の光が、さらに一段、輝きを増した。
「——っ……はぁ……ぁ……!」
演奏を終え、舞台袖に駆け込んできた凛華は、拍手の嵐を無視して俺の胸に飛び込んできた。
激しい呼吸と共に、彼女の全身から発せられる熱が、制服越しに俺に伝わってくる。
「阿久津君……視てた!? 今の私……最高だったでしょう……!」
彼女の顔は、かつての氷のような冷徹さなど微塵もなく、蕩けきった快楽に赤く染まっている。
あまりの興奮に、彼女の手は俺の腕を強く、痛いほどに掴んでいた。
「ああ、本当に素晴らしかったよ。……佐藤さん、そんなに俺に触れて大丈夫か? 誰かに見られたら……」
「関係ないわ……。そんなことより、もっと……」
凛華は俺の首筋に顔を埋め、深く、俺の匂いを吸い込んだ。
彼女の長い睫毛が震え、潤んだ瞳が至近距離で俺を捕らえる。
「もっと、私を見て……。もっと私に、あなたの不埒な興奮を流し込みなさい。あなたが喜べば喜ぶほど……私は、神にさえ手が届く気がするの」
かつてのプライドはどこへ行ったのか。
彼女は俺の手を取り、自らの胸元へと導く。高鳴る鼓動が、手の平を通じて直接脳に響いてくる。
「ねえ、阿久津君……もっと、私で……『喜んで』? あなたが私に溺れるほど、私は強くなれる……。これは、そのための……必要なプロセスなんだから……っ」
言い訳のような言葉とは裏腹に、彼女の腰は微かに震え、俺にさらなる「刺激」を求めて擦り寄ってくる。
才能の覚醒という蜜の味を知った女王は、今やその供給源である俺の情動に、魂まで支配されようとしていた。
最後までありがとうございました!
成功を重ねるほどに、凛華が阿久津君の『感情』の虜になっていく……。
この二人の歪な関係こそが、物語の真骨頂です。
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