第40話:阿久津君、もっと……私の筋肉を、解して?
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ついに決戦の時。結衣が下した決断は、アスリートとしての魂を阿久津君に預けることでした。
「ケア」の名の下に深まる二人の絆、その最深部をご覧ください。
公式記録会の幕が開く直前。スタジアム裏にある選手待機用のテントは、出番を待つ者たちの緊張感で満ちていた。
だが、その一角に張られたカーテンの向こう側だけは、異様なほどの熱気と、沈黙が支配していた。
「……阿久津君、お願い。もう一度だけ、私を……『完成』させて」
結衣は狭いベンチの上で、自身の身体を阿久津へと差し出した。
競技用のタイトなユニフォーム越しでも、彼女の全身が小刻みに震えているのが分かる。それは恐怖ではなく、極限まで高まった**依存**による禁断症状に近いものだった。
「田中さん、本当にいいんだな。これで、君の走りは完全に俺のものになるぞ」
「……いいよ。一人で走る寂しさを知るくらいなら、阿久津君の『熱』に呑まれて、どこまでも加速したいの」
阿久津が彼女の腰に手をかけ、ユニフォームの上から指先を深く沈め込んだ。
その瞬間、結衣の喉から「ひっ……!」という、到底人前では出せない甘い悲鳴が漏れた。
阿久津の脳内を駆け巡る、決戦を控えた彼女への独占欲。
その猛烈な情動が共鳴パスを介して結衣の筋繊維を、細胞一つ一つを直接叩き起こしていく。
「あ、ああ……っ! すごい……筋肉が、熱い……っ。阿久津君の手、すごく……深くまで、届いてくる……っ!」
痛みを快感へ。不安を期待へ。
阿久津が彼女の脚の付け根からふくらはぎまでを、慈しむように、それでいて支配するように強く解していくたび、結衣の瞳からは理性の色が消え、黄金の輝きが満ちていく。
「もっと……。もっと私の筋肉を、解して……阿久津君。私を、あなたなしじゃ一歩も進めない身体にして……っ!」
アスリートとしての自尊心は、今この瞬間、阿久津の情動という名の荒波に呑み込まれ、消滅した。
彼女が選んだのは、孤独な自立ではなく、彼と共に辿り着く異次元の極致。
調整を終え、立ち上がった結衣の顔には、もはや一抹の不安もなかった。
阿久津の『毒』を全身に漲らせた爆速のエースは、ただ彼に捧げるための勝利を掴み取るべく、光り輝くトラックへと向かっていった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
葛藤の果てに、阿久津君への徹底的な**依存**を認めた結衣。
彼女の肉体は今、少年の情動を燃料にして、人間を超越した出力を発揮する準備を整えました。
公式戦でどのような奇跡が起きるのか。引き続きご注目ください!




