表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
感情共鳴(エモーション・リンク)~学園の女王たちが、冴えない俺を気持ちよくさせるために列をなす理由~  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
39/63

第39話:アスリートの誇りと、女としての渇望

いつもご愛読ありがとうございます。

公式戦を前に、結衣の心は大きく揺れ動きます。

手に入れた強大な力と、その代償としての依存。揺れ動く彼女の心理にご注目ください。


 公式記録会を翌日に控え、結衣は一人、夜の自習室で自身の脚を見つめていた。

 

 指先でなぞる太もものライン。かつては孤独な努力の結晶だったはずの筋肉が、今は阿久津の手による『調整』なしでは、その真価を発揮できない体質へと作り替えられている。


(……私は、何を求めているんだろう)


 一秒を削るための、純粋なアスリートとしての情熱。それは確かにある。

 だが、今の自分を突き動かしているのは、それだけではなかった。

 阿久津に触れられ、脳が蕩けるような熱を注ぎ込まれる。その背徳的なプロセスを経て初めて、自分は「最強」になれる。その事実が、彼女の誇りを静かに蝕んでいた。


「阿久津君がいなきゃ……私はもう、ただの女の子に戻っちゃうのかな」


 ぽつりと漏れた言葉が、静かな部屋に溶ける。

 彼に依存することで手に入れた、異次元の加速。その快感を知る前には、もう戻れない。

 

 記録が伸びるたびに、周囲からの期待は高まる。

 けれど、そのタイムの源泉が自分自身の努力ではなく、少年の指先から流し込まれる『情動』であることを、彼女だけが知っている。


 屈辱。そして、それを上回る圧倒的な**渇望**。

 

 彼に頼らなければ勝てない。けれど、彼に頼れば頼るほど、自分の中の「田中結衣」というアスリートが、彼の所有物へと塗り替えられていく。

 

 結衣は膝を抱え、自身の鼓動を確かめるように強く胸を押さえた。

 明日、号砲が鳴り響くとき。自分は一人のランナーとして走るのか。それとも、彼に生かされる「共鳴体」として走るのか。


 その答えを出せないまま、彼女の身体は無意識のうちに、阿久津から与えられたあの熱い残滓を求めて震えていた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

一人のアスリートとして自立したい心と、阿久津君の熱に溺れたい心。

結衣の葛藤は、二人の関係をより複雑で深いものへと変えていきます。

公式戦当日、彼女がどのような答えを出すのか。次話もご期待ください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ