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洞窟の奥へ

 

 通路は狭いので、3人で横並びに移動することはできない。

 モンスターを狩りたいので俺は先頭。次にシーニャ。後方はシルカが守っている。


 最初に遭遇したのは、スライムだった。

 青い透明色だが濁っており、赤や緑も混じっている。


「いきなり、変なのが出て来たな」

「気をつけろよ。スライムは単純な構造のせいか亜種が多いんだ」

「わかった」


 いかにも状態異常を撃ってきそうな毒々しい外見だ。


 シーニャには耐性アップの『エアライズ』があるが、効果は一時的。

 それに、戦闘中にいちいち使っていたら、魔力が足りなくなる。


 何かされる前に、早めにケリをつけたいところ。


 俺は柄の部分を長く持つ。

 攻撃したときに液体が飛び散るのを避けるためだ。


 そして、遠くから体の中心を突いた。

 スライムはゼリー状の体で、その表皮はとても柔らかい。

 斧槍は深く突き刺さり、スライムの体を真っ二つにした。


 と、思ったのだが。


 スライムは2匹に増えた。

 避けた体がスライムの形に変わった。つまり、分裂したのだ。


『……マスター』

「ま、待て。落ち着け。ちょっと増えただけだろう」 


 俺は真横に切る。

 今度は、4匹に増えた。


 更に切る。

 8匹に増えた。


「おい。私は気をつけろと言ったよな」

「ラルフくん。手伝おうか」

「俺にやらせてくれ。なんとかする」


 とはいえ、俺にできることと言えば、斧槍で攻撃することだけだ。


 魔法を使って消滅という方法も使えない。


 そっちが増えるというなら、こっちは手数で対抗だ。


「地獄突き」


 俺はスライムたちに数百匹の突きを放った。

 すると、スライムは今度は数百匹に増え――。



「……焦ったぜ」


 やっとスライムを全滅させた頃には、俺はクタクタだった。

 ステータスを確認。


 レベル 8

 マナ 120/2000

 

 俺は数百匹を倒したのだが、たったの120。

 ポイントは一匹分ということだろう。


 今までのモンスターで最も高いが、労力に見合っているとは言えないな。


「疲れたし、もう帰るか」

「私たちは何もしてないがな。おまえが勝手にスライムと格闘していただけだ」


 さっきのスライムは一撃で仕留めるのが、正しい攻略法だった。

 まあ、過ぎたことを考えても仕方ない。


 ダンジョンをどんどん進んでいく。

 途中、何度かモンスターと遭遇したが、俺はなんとか切り抜けた。


 レベル 8

 マナ 1260/2000


 マナも増えた。

 それはいいとして。


「ところで、俺たちの目的は盗賊退治なんだよな」

「そうだ」

「どこにいるのか、わかっているのか?」


 先ほどから道を進んでいるものの、俺には行き先が分からない。


「地図によると……」


 廃ダンジョンなので、地図は更新されない。

 正確ではないが、だいたいの目安にしている。


「洞窟の中には湖があるんだ」


 盗賊が隠れ家として利用しているなら、綺麗な水は必要だろう。

 ちなみに地面は水浸しだが、濁っていて汚い。


「じゃあ、湖の近くにいるってことだな」


 位置的にはここから突き当りを右になる。


「待て。何かある」


 俺たちの目の前に現れたのは壁だった。 

 オレンジ色の蜜蝋のようなもので固められている。


「道が塞がれてるな。賊が侵入されないように作ったのか?」

「そんなわけないだろう。これだと賊も通れない」


 とにかく、壁を壊さないとならない。

 湖まで続く道はここしかないのだ。


「地獄突き!」


 俺は突きを何度も放って、力技で壁を壊した。


 レベル 8

 マナ 2000/2000

 

 一気にマナの数値が最大になった。

 そこまで固くはなかったが、上り幅が大きいな。


 レベル 9

 マナ 0/2500


 レベルを上げた。


「うおっしいいぃ!」

「何を喜んでいるんだ?」

「こっちの話だ。気にしないでくれ」


 気を取り直して先に進むと、また壁が来たので破壊する。


 レベル 9

 マナ 1200/2500


 俺はシーニャたちと一緒に奥まで向かう。


 ぼんやりと明るくなってきたので、松明が灯っているのだろう。

 誰かいるのは確実だ。


「賊は何人いるんだ?」

「8人だよ」


 結構いるじゃないか。


「エネミーサーチ」


 透明の板が現れて、そこに赤い点が表示された。

 1、2、3……あれ? おかしいな。一人足りない。


 だが、周囲にはいないようなので、不意打ちはないだろう。


「準備はいいか?」

「おう」


 シルカの合図によって、俺たちは一斉に跳び出した。


 しかし。


「た、た、助けてくれ」


 賊の一人が、苦しそうに手を伸ばした。


 まだ、俺たちは何もしていない。


 なのに、男の体は傷だらけで、立っているのも厳しそうだ。


「お願いだ。何でも言うことを聞く。だから、ここから出してくれ」


 いったい、どうしたと言うのだろう。


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