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第三戦 MADっていう暮らしの始まり(11)

「部長の命令なら、かしこまりました……爆発の直前に、君何か見たりそれとも触ったりしたのかしら」

「うん……僕本棚を通っただけ、本以外他のものとか見かけてないけど」

「そうよね、基本的なゲームルールさえも気づかなかった上、爆弾に気づくなんてもっと難しいわよね」

口吻と態度が全然違い、宮部の皮肉言葉は柳下に対して言ってたけど、怒りを感じたのはこちらだ。こんな敵の攻撃が仲間から主人公に跳ね返ってきた状況って、RPGで何て呼ばれてるのかな。

「で、でも、爆弾は隠されてたことが確認でき──」

「たとえ隠されてなくても、自分が天国に行く前に何で爆死したのかわかるだけ。犯人の思惑を判断するのに対してあまり影響が大きくないわ、だって……」

一つ透明なビニール袋を取り出した宮部。先ほど図書館から戻ってきた時ずっと持ってたものだった。

袋の中に、爆破されて黒く焦げた機械部品がはっきり見える。爆弾の残骸だということがすぐ分かる。

「C4爆弾、起爆方法は雷管やリモコンのみ。爆発した後の形跡を見れば、爆弾はCゾーンのセントラル本棚の中央に置かれて、大人の頭の高さとほぼ同じ。君たちが伏せた所とは本棚三架の距離しかない。さらにこれらの残骸の形から、誰でも立派な受信器だと思うの。というわけで──」

宮部がビニール袋をテーブルに置いてから、顔は僕に変装した柳下に近寄ってきた。

「起爆装置を使う人はすぐ近くにいる。君たちはロックされてたの」

実際、宮部が以上のことを言う前に、多少予想できたのだ。

C4爆薬は一種のプラスチック爆薬であり、かつてお袋は何らかのルートで本物を入手して僕に見せたのだ。その爆発っぶりと音を体験したことがある。

犯人は何を考えてるのかはともかく、今はただあることが心に深く焼きついた──柳下は本当に暗殺されるってことだ。

「ということで、誰かが君たち二人、あるいは君たちの中の一人を仕留めようとしているのを示してる。犯人がターゲットを間違えしちゃったのも考えられるけど、その可能性は大きくないと思ってるわ」

「なぜだ」

「だって一人は学校で有名な凄腕部長で、もう一人は学校で有名な怯者だもん」

なんだ、転校生の僕もこんなに有名になったのか……というか、こんなんのはいやだ。

「じゃ他の質問にしよう。部長は本を探すために行ったのは知ってるけど、どうして君も図書館に?」

こちらへちらっと見る柳下、その微かに震えてる目つきが助けを求めるようだ。悪い、僕ほとんど図書館へ行かないから自分で勝手に考えろ。

「えーと……今日は女性が腰を屈めて本を探す格好を研究したいから図書館へ……」

おいおい!何それ!勝手にと言ってもほどがある。

「わぁー、どうも君の性指向は一般的じゃない。でも、図書館でこんなに長くバイトしたのに君がここに来たのを見たことないわ。体育館の女性の方がわりと好きなんじゃない。どうして今日に限って図書館に行ったのかしらね」

心臓がびくっとした。まさか宮部も僕が体育館で起きた最高機密を知ってたのか。

「あの……それは……」

「誰か君にあそこに行くのを頼んだのかしら」

柳下がテーブルの後ろに隠した手の甲にこわばってる筋肉のラインが現れてきた。僕は十分確信してる。

「それにちょうど蔵書数が最も少ない三階に行ったのね……部長も君も戦略の書物に興味あるのは信じてるけど、でもどう見ても君たちは、同じ人物の指示であそこに行ったのね」

落ち着いた口振りに巧妙に疑問を抱く態度。宮部の取り調べには不親切な威圧感が押しつけていた。

「まあ、現実世界でよかったね、でないと本当にディテクティブストーリーのようなコンスピラシーになるの」

「何を言う──」

手を柳下の方に近づけておいたのはやはり正しかった。

こちらの声で宮部に怒ろうとした柳下を、僕はそのズボンを引っ張ってひそかに引きとめたんだ。

「おや、君も怒るのね。君のイメージに対しては修正ポイントを得たけど、これっぽっちしかないわね。でもどうしてもう一人は全然怒らないの。がっかりするわ」

視線を僕に向けるとともに、宮部は神秘的な雰囲気に満ちる漆黒な瞳でウインクをくれた。学校が認める捜査員は勝手に関係者を誘惑することができるようだ。真の部長がもうぶち切れる寸前だってのが全然知らないと思うよ。

僕は宮部の軽視が我慢できるが、柳下は宮部の憶測に我慢できないのだ──あんな事言ったらまったく芸音をほのめかすようなものだ。

「捜査員として、おまえのするべきことは本分を守ることだ、無理にこじつけるんじゃねぇ」

「はぁー、困ったわね、部長のその怒りもやさしさもない口振りは。あたしは事実に合理的に疑いを抱くだけなのに、犯人は誰なんて言ってもないわ」

「おまえがやってることはすでに捜査員の責任を超えてる。ところでこの職務はどうやって手に入れたんだ」

「ふふ、やっと聞かれたわ。あたし、理事会の幹部の娘なの」

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