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ノンヒーロー/アンヒロイン  作者: Iso Rock
第三話 開園!謎のランドの正体とは?
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―chapter9.5 タネアカシ―

「大総統、作戦は上手くいきましたね」

「これであのチンピラどもも暫くは暴れまい」

 大総統である私が下していた作戦は以下の通り。

 あの(片方は名前が分からないが)二人組が遊園地で暴れた際、アトスは世間体の観点からに大っぴらに現れて鎮圧できない。

 それに、遊園地が悪と悪の勢力がぶつかり合いの場となったとあれば、遊園地の評判が下がってしまう。どうあっても分の悪い勝負になる。

 ならばどうすればいいか。

 悪い奴に困ったらどうするか?

「敵の敵はたとえ敵だろうと敵の敵だよ」

 そんなの決まっている――正義の味方に頼ればいい。

 そうすれば、アトスが手を下すことも無く、おまけに正義の味方が訪れたというポジティブなイメージさえ付与することができる。

 JWAはアトスが技術提供をしたのみで、経済や人員などの実質的なつながりは切っている。働く従業員の大半は、よもや悪の組織が立ち上げた場所で働いているとは思っていないだろう。

 これで、正義の味方を立ち入らせても恐れることは無い。

 二人組の情報をJUNASにリークし、意図的に隊員たちを潜入させることに成功した。また、それとなくJUNASに招待券を送ることでより多くの人物をJWAに呼ぶことが出来た。

 嬉しい誤算はネズミ取りの罠として用意した猫が思いがけない者を連れて居た事だ。

「あいつら威勢はだけはよかったですね」

「それはどうかな」

 初めはただのチンピラ風情だと思っていた二人組だが、彼らは予想を上回る力量で正直用意させたネズミ取りで引っ掛かるかどうかは怪しかった。

 ところがアーマーズの二人と彼が来てくれた事で影響したことでそれは変わった。

 彼は思いがけずあの二人組と接触してくれていたようだ。

「大総統、そのような邪悪な笑い声を漏らして、どのような悪事を考えついたのですか」

 イカンな、声になって出ていたか。親玉ともあろう私が堪え性のない。

 アレのタイミングは何時にしようか。いつまでも、シニードリン一人に抱え込ませるのもよくない。

 だが、いまだ期は熟していない。柿栗三年桃八年、芽吹き花咲き花弁散り実をつけるには時間が掛かるものだ。

 彼は今のところまだ芽吹いたままの段階、芽吹く際に一瞬だけ開花をしたものの、彼の力はまだまだだ。

 ――しかし、確実に開きつつはある。

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