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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第1部 基準にならなかった男

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第44話 条件は守られている

 その日の朝、俺は呼び出された。


 場所は、管理施設内の小会議室。

 いつもより、空気が張りつめている。


 調停局の男。

 管理担当の女性。

 それから、見慣れない書記官が一人。


「状況説明だ」


 調停局の男は、感情を交えずに言った。


「先日の自治体判断について」

「国家として、正式に是正を行った」


 机の上に、通達文の写しが置かれる。


 内容は簡潔だった。


・ノア・エルディンの名前を判断材料に用いることを禁ずる

・同行は国家判断のみで決定する

・地方自治体の独自判断を認めない


 強い言葉は使われていない。

 だが、線ははっきり引かれていた。


「再発は?」


 俺が聞くと、書記官が答えた。


「現時点では確認されていません」

「監査も入っています」


 調停局の男が、こちらを見る。


「君の条件は、守られている」

「判断も責任も、君には負わせない」


 はっきりした言い方だった。


 管理担当の女性も、頷く。


「あなたは、何も間違っていない」

「国家は、その立場を崩さない」


 安心するべき場面だ。


 けれど。


(……本当に、崩れないのか?)


 俺は、通達文をもう一度見る。


 国家は、動いている。

 迅速で、誠実で、正しい。


 だが、問題はそこじゃない。


「地方は、どう思ってるんですか」


 少し間を置いて、聞いた。


 書記官が答える。


「表向きは、納得しています」

「不満は、記録されていません」


 表向きは。


 その言葉が、妙に引っかかった。


 会議が終わり、廊下に出る。


 管理担当の女性が、歩きながら言った。


「あなたが心配していること、分かるわ」


「でもね」


 少し声を落とす。


「国家が約束を破らない限り」

「あなたは、守られている」


 正しい。

 本当に、その通りだ。


 それでも。


「……約束を破るのは、国家だけじゃないですよね」


 彼女は、足を止めた。


 一瞬だけ、言葉に詰まる。


「ええ」


 小さく、そう答えた。


 部屋に戻ると、端末に通知が入っていた。


 外部通信、閲覧のみ。


 地方紙の記事だった。


> 「境界域の安定には、

> 特定人物の存在が影響している可能性」


 名前は出ていない。

 だが、誰のことかは分かる。


 国家は、線を引いた。

 はっきりと。


 だが、線の外側では、

 まだ整理が終わっていない。


 条件は、守られている。


 今のところは。


 それが、

 不思議と安心よりも、

 嫌な予感を強めていた。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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