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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ


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第22話 叱られないというのは、こんなにも落ち着かない

 気づけば、

 俺は見慣れない部屋にいた。


 広くも狭くもない。

 窓はあるが、外は見えづらい位置。

 調度品は最低限。


(……控室、だよな)


 豪華ではない。

 だが、学生用の部屋でもない。


 ベッドに腰掛けて、

 天井を見上げる。


 静かだ。


 静かすぎる。


 しばらくして、

 扉がノックされた。


「入るぞ」


 ガルドだった。


「体調は?」


「問題ありません」


「そうか」


 それだけ。


(……それだけ?)


 叱られもしない。

 事情説明もない。


 沈黙が、少しだけ続く。


「……俺、

 何かやりましたか」


 我慢できずに聞いた。


 ガルドは、

 すぐには答えなかった。


「いいや」


 短く、はっきり。


「少なくとも、

 “問題行動”は確認されていない」


 それを聞いて、

 少しだけ安心する。


 同時に、

 別の不安が湧いた。


「……なら、

 なんでここに?」


「それは――」


 ガルドは、言葉を切った。


「今は、

 説明できない」


 その言い方が、

 一番困る。


「罰でもないし、

 評価が変わったわけでもない」


「ただ、

 少しの間、

 ここで待て」


(……待つ、か)


 時間指定はない。


 終わりもない。


「外出は?」


「事前に申請しろ」


「授業は?」


「免除だ」


 免除。


 その言葉に、

 引っかかりを覚える。


「……俺、

 学生ですよね」


「ああ」


 即答。


 なのに。


 その即答が、

 どこか曖昧に聞こえた。


 ガルドは、

 扉の前で足を止める。


「ノア」


「はい」


「……気に病むな」


「気に病むほど、

 情報がないんですけど」


 思わず、

 本音が出た。


 ガルドは、

 小さく苦笑した。


「そうだな」


「だが、

 それでいい」


 それだけ言って、

 部屋を出ていった。


 扉が閉まる。


 静寂。


(……叱られない、

 って)


(こんなに、

 落ち着かないものなんだな)


 ベッドに仰向けになり、

 腕を目に当てる。


 俺が何かやったなら、

 怒られるはずだ。


 怒られないなら、

 問題はないはずだ。


 なのに。


(……“保留”か)


 誰も言っていない言葉が、

 頭に浮かぶ。


 その後、

 食事が運ばれてきた。


 量も内容も、

 普通だ。


 だが、

 扉の外には人の気配がある。


(……見張り、

 じゃないよな)


 そう思いたい。


 夜。


 簡単な書類が届いた。


 内容は、

 外出申請用の用紙。


 同行者欄が、

 最初から印刷されている。


(……自由、

 って言えるのか、これ)


 ため息をつき、

 書類を机に置く。


 窓の外は、

 すっかり暗い。


 学園なら、

 今頃は消灯時間だ。


(……戻れないのかな)


 考えても、

 答えは出ない。


 出ない以上、

 考えすぎるのは無駄だ。


 そう分かっていても、

 頭は勝手に動く。


 俺は、

 無能扱いされていた。


 それでよかった。


 期待されない。

 干渉されない。


 ――楽だった。


 今は、

 違う。


 何も言われない。

 何も決まらない。


 ただ、

 “ここにいろ”と言われる。


(……これ、

 罰よりきついな)


 布団に潜り込み、

 目を閉じる。


 眠りは、

 すぐには来なかった。


 その頃。


 別の場所で、

 誰かが静かに言った。


「彼は、

 不安がるだろうな」


「だが、

 それ以上に――」


「刺激しないことが、

 最優先だ」


 その言葉は、

 俺の耳には届かない。


 ただ。


 この夜を境に、

 俺の立場は

 確実に変わり始めていた。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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