表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

103/107

第103話 不完全な安定

 揺らぎは、再び発生した。


『中規模揺らぎ:発生』


 警報が鳴る。


 以前と同じ。


 だが、


 空気が違う。


「中央補正、参考値出ます!」


「了解、現場判断優先!」


 声が飛ぶ。


 迷いはある。


 だが止まらない。


 エルドはモニターを見る。


 揺らぎは広がる。


 以前なら、


 中央が一括で抑えた。


 だが今は違う。


「北側、先に補助入れろ!」


「南は待て、拡大見てから!」


 判断が分かれる。


 ばらばらに。


 同時ではない。


 揃っていない。


 少し遅れる。


 少し歪む。


 揺らぎが一瞬、大きくなる。


「……!」


 誰かが息を呑む。


 だが、


 止まらない。


 局所で抑え込まれる。


 別の場所で広がる。


 また別の場所で収束する。


 全体として、


 波が崩れていく。


 均一ではない。


 だから、


 連鎖しない。


 やがて、


 全域で収束。


 完全ではない。


 波形は歪んでいる。


 だが、


 止まっていない。


「……収束」


 誰かが言う。


 確認するように。


 安堵ではない。


 理解だ。


 ミアが深く息を吐く。


「ちょっと怖かった……」


「でも止まらなかった」


 別の声。


 それがすべてだった。


 エルドは画面を見ている。


 波形は揃っていない。


 ばらばら。


 歪んでいる。


 だが、


 生きている。


 カルディアが隣に立つ。


 何も言わない。


 ただ、


 同じ画面を見る。


「……非効率ですね」


 小さく言う。


 エルドは頷く。


「はい」


 否定しない。


「無駄も多い」


「はい」


 それも事実。


 カルディアは少しだけ間を置く。


 そして言う。


「でも」


 その一言。


 エルドは顔を上げる。


「止まりません」


 静かな言葉。


 だが、


 以前とは違う。


 断言ではない。


 理解だ。


 エルドは小さく笑う。


「はい」


 短い返事。


 それで十分だった。


 屋上。


 風が吹いている。


 少し強い。


 だが一定ではない。


 揺れている。


 ばらばらに。


 ノアが言う。


「どうだ」


 エルドは答える。


「……安定してません」


「そうだな」


 ノアは頷く。


 エルドは続ける。


「でも」


 言葉を選ばない。


「止まらないです」


 ノアは空を見る。


 雲が流れている。


 揃っていない。


「それでいい」


 その一言。


 すべてを肯定する。


 エルドは空を見る。


 完全ではない。


 整ってもいない。


 だが、


 動いている。


 それが、


 今の正解だった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ