第68話 世界とたまの認識
大量の流星群が流れ、夜空が光り輝くキャンバスになった翌日。
たまはダンジョンの入り口から、ランチバックに入れた弁当を風船にくくり付けて空へ離す。
ダフネたちと宝探しバトルをしなくても、触れると消滅する魔術を付けて空へ飛ばせばすむと気が付いたのだ。
触れられて消滅しても届く。空で時間による消滅をしても届くのだ。
『要望は柏餅だったのでは?』
そう、レア確定ガチャチケットには柏餅が食べたいと書かれていた。
「うちの店はお任せだけなの!わたしの食べたいものに誰も口出しなんてさせないよ!」
たまは頑固食堂の店主なのだ。
――きゃん!
――これがダフネが言っていた第4宝箱ね
――そうよっ!中の回復アイテムには妖精がすごいんだからっ!
ミュリーと獣人たちが知らないことに気を良くしたミラグロサ姫がえへんと答える。その頭には獣人偽装用の耳付きカブトを装備している。
――ミ、ロサ!勝手に開けないで?!
ミュリーが注意するよりも早く、ミラグロサ姫がパカッと宝箱を開く。
「じゃじゃーん!柴丸印のチキン南蛮弁当よ!・・・ご飯は栗ご飯、それとお味噌汁!甘酸っぱいタルタルが最高だよ!」
――開けて見たかったのっ!
――今後はおやめください
ミラグロサ姫と今日には城に到着し別れ今後旅することはない。だから、ミュリーは叱ろうか叱るまいか悩んだが叱ることにした。
――わかったわっ!
――ロサも反省してるしぃ、食べるわよぉ?
全員に弁当と味噌汁がいきわたる。
――この容器のフタを取って中が食べられるのっ!私はこの端にある赤いのが酸っぱくて好きっ!
獣人たちは、ほうほうと頷いて、梅干しを口に入れて顔をゆがませる。どうやら、獣人たちに梅干しは不興だ。
その後、チキン南蛮に手を付けるとガツガツと食べ始める。
食事中もゴブリンが2度、3度と襲ってくる。
「ダフネの時は毛魚のゴブリン出なかったのに、ゴブリン増えたのかな?」
『ゴブリンだらけでしたよ』
「うそーっ!エビドリとかダンジョンに耐えれないほど弱い魔物だったよ!」
『ゴブリンもダンジョンに耐えれないほど弱い魔物です』
「へ?」
『ダンジョンで最弱の魔物はホブゴブリン(20,000)です』
「もしかして、世界の認識が変わってる?!」
『たま様。たま様が世界の変化から取り残されたのでは?』
「ぇー。そういう解釈するの、やー。ちなみにホブゴブリンってどんなの?」
『見たことありますよね。右腕が発達した巨人です』
「えっ?アレがホブゴブリンだったの!もう、ホブってもゴブってもいないよ!」
弁当箱が消滅し、立ち上がったマーリャが双剣でゴブリンを倒す。
――都はすぐです!
『レア確定ガチャチケットが届きました。コーンスープが食べたいと書かれています』
たまは、コーンスープも悪くないと心を動かされた。頑固食堂の店主はチョロインなのだ。




