第63話 ランジェリー③
シャー・・・
『何をされてるのですか?』
「水をあげてるの!」
たまはオシャレなジョーロからダンジョンの入り口に咲いている花々へ回復ポーションをまく。
『確かに攻撃でない程度の排出はできますし、魔物でも罠でもないので規定でもありません。ですが、ダンジョンから出てたらおかしいですよね?』
そんな小さなこと、たまは気にしない。ランランララランランラン♪と鼻歌を歌いながら回復ポーションをまいた。
冒険者たちも気にしない。このダンジョンでは水が出るくらい気にしてもしょうがないのだ。
――きゃん!
ドラゴンクラッシャーシティーの入り口に柴丸たちが姿を現す。
「柴丸がかえってきたよー!」
堂々と先頭を歩いている柴丸にウルウルとたまは感動する。
柴丸はリードを外されるとダッシュで次々と居残り組にてしてしとあいさつをして回る。
ダンジョン前までくると警戒しながら花の匂いをかぎ、手を広げてダンジョンの前に立っているたまを無視してダッーとダフネたちの元に戻ってしまう。
「し、しばまるぅぅ?!」
『たま様が見えないだけですから安心してください』
「コアの優しさが心にしみるよ」
ヘキシア、ミュリー、ダフネは話し合って情報交換をしている。
リンリリ隊長とマーリャ隊長がミラグロサ姫を連れてダンジョンの中へやってくる。
――ここねっ!
――こちら
マーリャ隊長が先に2階へ飛び上がり、リンリリ隊長がミラグロサ姫を持ち上げて、マーリャ隊長が引き上げる。
2階に上がったミラグロサ姫は、冒険者の装備を外し、ピンクと黄色のドレスアーマーへと変更する。
「15歳の少女には少し早いかもしれないけど、旅までして来てくれたんだもの!素敵なランジェリーを用意するよ!」
ミラグロサ姫のデコイを造りパッパッとドレスアーマーの装備を外し、ミシンをダダダダダッと動かす。
ソワソワ、わくわくと宝箱の出現を待ち、ついに宝箱が出現する。
胸に手を当てたミラグロサ姫によって、ゆっくりと宝箱が開かれる。
「じゃじゃーん!ピンクと黄色が好きだと思ってゴールド地に桜の花柄レースで造ったレース多めのブラジャーとレース多めのショーツよ!」
ミラグロサ姫は動かない。じぃーとランジェリーを見つめたまま動かない。
「もしかして、気に入らない?!」
マーリャの長い耳が下から現れる。
――音がしなくなった。どうした?
――弾むのっ!弾むのっ!弾むのー!
――早くしないと消える
そんなに早くは消えないが、マーリャが少し急かしたのだろう。ミラグロサ姫は大変っ!と大急ぎでドレスアーマーを外し、ランジェリーを身につける。
ランジェリーを身につけてクルクルと回り、自分の姿を確認する。
「今更だけど、鏡が必要よね!」
『不要です』
ミラグロサ姫はお披露目に2階から飛び降りようとするが、マーリャに止められる。
――今はお忍び中。町には人目もある。冒険者の装備をつけて
――でも!でも!でもっ!
――クランハウスまで装備して、クランハウスでなら付き合う
ミラグロサ姫の顔がパッと輝く。
その時。




