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魔王様は手品師  作者: ゆたか
魔界編
46/191

46.嫌な予感

「ずるいでござる!棒が消えるなら消えると最初のコインのときみたいに言うべきでござるよ!・・・・はっ!」


「そういうこと。サーストンの三原則を2つもあえて破った効果ってやつさ」


ハワード・サーストンが言ったとも、言ってなかったとも言われている三原則。元々からあったものをよりわかりやすく三原則にまとめたのがサーストンだという意見や、日本で特にサーストンの三原則が有名なことから日本の著作物が関係しているのでは?など言われています。


今から何が起こるか言わない。

同じことをしない。

種明かしをしない。


この3原則も微妙に言葉のニュアンスが違う書き方をされていることもあるので、何故日本でここまで浸透しているのか謎は深まるばかり。


「サーストンの三原則から言っておくと、手品をこれから覚える人にはとてもいい言葉だから魔王様にも説明したけれど、あえて破っている人はよくいるんだよ、そうするとハードルが上がるから不思議さを増すエッセンスとして使える。もちろんそのハードルは容易じゃないから、しないほうがいい3原則なんだけどな」


「確かに、コインを消すと予告されてて消されたら・・・身構えていたはずなのに悔しかったでござる。。」


「コインをよく見ていたはずなのに・・・。ってなるわけだけど、そこでミスデレの出番ってわけ」


「本等で説明する人によっては視線誘導と訳す場合もあるけど、意識誘導がしっくりくるかな。1回目はウォンドをテーブルから取るときに少し時間がかかったよな、あれで2~3秒、ウォンドのほうに意識がいった。でも目は俺の体全体を見ていたはず、特に左手は視界に入っていたはずなのにとなるわけだ・・・・・・あっ!」


突然大声を上げ、壁を指さす小林。


「ん?!!なんだ敵襲か!魔王様、戦闘の準備を!」


「・・・・・と、今のように注意がそれすぎてしまい、俺から視線が外れて。。。しかも長く会話なんてされたら、ミスディレクションとしては失敗なわけ」


「ふぅん~。まぁ好き放題できる時間やチャンスがあったじゃないのぉって言われるものね」


「そういうこと。言葉のミスディレクション、ミスリードとかもあるくらいだし。音なんかでも同時に流れているともう片方を聞いてなかったなんてこともあるしな」


「コバ殿!敵襲じゃなかったでござるよ~。早く解説の続きを」


「もう終わりました」


「ええ!!ダイル!敵襲はなかったでござる!落ち着くでござる!」


腕組みしながら見つめるレイディ。


「これは・・ミスディレクション以前に改善しないといけないところがあるような。。」


粗ぶっていたダイルが蹲りながら呟く。


「・・・・はっはっは。コバ殿、俺はちゃんと聞いていたぞ!そして・・・今、新々必殺技が完成したのだ!!」


小林「嫌な予感がします」

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