45.ミスディレクション
一同「みす・・・でれくしょん」
「手品始めると言いたくなる単語ナンバーワンと言ってもいいだろうな、ちなみに響きが良くて言いたくなる単語にはハンキーパンキーとか他にも・・・って聞いてる?」
「ミスディレクション、とても高度な魔法にも聞こえるでござるな」
「筋肉を相手に見せる際に放つと威嚇に良さそうだな・・・」
「ロッドちゃん、絵日記もう書き終えた?始まってるわよ」
「もう少しでできます。あとは魔王様っぽい黒いグチャグチャを端に書くだけです」
「拙者の書き方ひどくない?!」
腕組みをする小林。・・・・次第に部屋が静かになっていく。
「・・・・はい。皆さんが静かになるまで10秒かかりました。ミスディレクションはすでに行われました」
「ん??コバ殿??何を言っているでござるか??」
テーブルのコップに手をやる魔王。
「大体ぃ~モグ太も帰ってきていないのに教室なんかして・・・グビグビ」
「って不味っ!!よくみたら紅茶じゃないでござる!」
不敵な笑みを浮かべる小林。
「ミスディレクションです。魔王様。紅茶が入ったコップと何かわからない液体が入ったコップを入れ替えました」
「ちょっと!!コバ殿!せっかくロッドがみんなの分の紅茶を入れていたの・・・え??何かわからい液体って・・・」
「応用がとても利く代わりに今のようなダイレクトな使い方は俺としては駄目だ。密かに使ってこそのもの。今のはロッドの絵に皆の視線が移動したからテーブルの下のコップと入れ替えられたんだけれど・・・・それじゃあ本当のミスディレクションとは言えないかな」
テーブルの前に移動する小林。左手にコイン、テーブルにはウォンド(棒)が置いてある。
「今からこの左手のコインを消すぜ・・・」
「コバ殿!サーストンの三原則!」
「はい、それは覚えたら使いたい言葉2位ね、いいの」
左手のコインに注目する一同。小林の手はゆっくりとコインを握りしめる。
「使うのはテーブルにある・・・おっと、この木の棒だ」
予定より少し遠い位置にあったのか棒を取るのにモタツク小林。
「左手をこの棒で叩くと・・・コインが消えます」
一同「き・・・消えた!!!」
「今のがミスディレクションの説明によく使われるコインマジックだ。紅茶の件と合わせて・・・何かわかることはあるか?」
「わ・・・私の目で見ていても気づかなかったわ・・・。手を開く前にすでにコインはなかったわぁ」
「うん、うまくいってよかったよ。このマジックで一番の天敵は透視ができるレイディだからな、だからあえて何をするのか予告してみたわけだが・・・」
「ふむぅ。紅茶の件。魔王様は紅茶と思い込んでいたから疑わずに謎の液体を飲んだわけだな。謎の」
紅茶が入ったコップを手に魔王が近づく。
「ダイルぅ。ひどいでござるよ。口直しに飲んだ紅茶が不味く感じるでござる」
小林(さっき飲んだものを吐き出す発想はないのね)
「はい、では引っ張っても意味はないしこれくらいで解説をするぜ。ミスディレクションとは『意識誘導』と考えればいいと思う」
「もう一度同じことをするぞ・・・」
ウォンドをテーブルに置き、コインを手に持つ小林。
「左手にコイン、テーブルにウォンドがあるわけだが・・・」
小林が手首をスナップすると、右手に持っていたウォンドが消える。
「消えたウォンドは・・・・」
消えたウォンドは小林の左肩あたりから現れる、
「・・・あぁ、ウォンドじゃなくコインだったな。左手のコインは・・・消えている」
一同




