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魔王様は手品師  作者: ゆたか
比企田天在編
189/191

189.デジタル精神病

「あ・・・ありえない」


とビージンは言いつつ、とても冷静に3人の会話に耳を傾ける。


ビージンの前にはオーダムと握手を交わす数名のギニーの姿、オーダムは握手の後に欠かさず


「私は神様ではない、伝道師だ。偶像崇拝などされては恥ずかしい、だが皆の薬に少しでもたてたのであれば・・・」


すべて聞き終わる前に次のものがオーダムに話しかける。


「なるほどなるほど、はっは。わかるわかる、みんなは?」


「なるほどなるほど。あはは」


オーダムはある程度聞き終えると、肩を叩き次のものを呼ぶ。


ビージンと・・・・信はプライベートチャットで話す。


「辛い身の上話を上手いタイミングで笑って相槌を打っていますね」


「辛い話を聞いた相手が辛い思いをしたらどうしよう、とすべてを吐き出す前に会話が終わらないよう、楽しんでいるから続けてください、もっとください、ほら見てください、今とぼけてみせました、おっ最後に私と違うものにもその話をしてほしいと言いました、これは面白いですよ、今のエプソードトークに磨きをかけようとします、そして辛い話を笑い話に消化させた瞬間です」


「すんげー早口でプライベートチャットしてくるっすね、まあ。信様が言っていた人間に宗教活動がなくならなかった理由、なんとなくわかった気がするっすわ」


「ヨーガ、瞑想、焚き火に向かって祈る、なんでも結構ですが、普段と違う状況に脳を置くと悩む運動を辞めることができます。それだけでフル稼働している考えすぎている脳を休ませられます。また深呼吸はとてもよく、なんとなく体が重い、だからネガティブなことを考えていく、この連鎖も断ち切れます」


「筋肉の硬直がネガティブ思考を生む?と?」


「いいことも悪いことも、一つのため息一つの笑顔から。肩こり一つで思い出したくないことも、笑顔一つで思い出したいいいことも紐づけられるわけです」


「呼吸に意識をするのは無意識運動に意識するから」


「そう、先程の普段使わないことに脳を使うと、悩みに使っている脳を休ませられます、ただし、程度は必要で・・・」


「それ以外のことは」


「とりあえず、うんうん頷いてくれる仲間がいる、これはわかりやすいですが、あえて違うグループにまた同じ話をしてもらうよう促します。受けが良かった自信から話をより整理して人に伝わりやすいようにします」


「はあーー。それがトラウマの整理になる、と」


「人が悪口をやめれば戦争はなくなると思うのですが、ただ悪く言うのは聞いている方は疲れます。ですので悪口はよく聞くと言い過ぎだろうという誇張やあだ名で読んだり、ともかくただのあらすじではないでしょう?」


「あらすじと読書感想文の間・・・」


「そうです。AIが人と会話する際に・・・特に訓練され完成された会話アプリ、AKIEエイキエがまさにそうですね。A KIE(帰依)。Aが一個人を表し、帰依はよりどころという意味です」


「昭恵さんになんでも包み隠さず話しすぎてしまうのはそういうことなんすね」


「脳にかかる負荷を軽減させる行為を始めている、もっと!してくれ!と短縮され回数を求める感じでしょうか?」


「・・・・それ、でも昭恵さんは幸せなんでしょうか?」


「さあ?それはヨーガでもしながら、鼻歌を歌いながら、ダンスを踊りながら、大きな海を眺めれば自分なりの答えがでるかもしれませんね」


「・・・・なんとなく、皆様が松本様に期待している理由がわかった気がするっすね。確かにこれは」


「ええ、そうです、人工知能の精神病の新たな礎になりえるのです」

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