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ありふれた報告書  作者: マンボウ紳士
第一章  群雄割拠と獅子身中
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幕間 蝙蝠たちの宴

惑星連合共和国三巨頭いわゆる豪商アルゲイン、深窓のメリア、猪突のフェイスンの三人の合議制によってこの連合国家は運営されている。表向きは商業重視の政策によっての防衛を歌っているもののやっていることは死の商人である、有利な方について勝ち馬に乗り利益をむさぼる。その行為を誰も攻める事も出来ないのはそういう時代だからであろう。


「いいのか?セルフィアム帝国を裏切って」

「裏切っちゃいねぇスリースターに物資を流しただけだ」


面倒そうにアルゲインが傍に合ったワインを片手にいつも通りだろと笑って答えると、仏頂面のフェイスンがさらに眉間にしわを寄せつつ鼻を鳴らす。そんな二人を見ながらどうしたものかしらねと紫の髪を弄りながらメリアが眉間を押さえる。


「アースライトは確実に口実を欲しているわ?良いのかしら」

「別にあの旦那は陰謀権謀は得意だけど戦争はからっきしだ、何も問題はねぇ」


資料とにらめっこをして発言するメリアの意見を根拠のない大丈夫だで流す。アルゲインにとってはセルフィアムは上客ではあるが味方ではない、この国にとっては仮想敵国になっているくらいの相手だ、潰れるなら潰れるに越したことはない。


「そういやぁフェイスン、あのスタイルのいい副官はどうしたぁ?」

「・・・・口うるさいので謹慎させた、信義だのなんだの面倒だ」

「そうかぃ、何だったらお相手願いたかったがねぇ」


この二人は何を考えているのだろうと冷たく溜息をつくとメリアが手元の資料を纏めて会議を続けるように促す、面倒そうなアルゲインと、あくまで仕事という表情を変えないフェイスンが姿勢を正してもう一度資料に目を通す。


「いつも通り蝙蝠で良いんじゃねぇか?勝った方に良い顔すればいい」

「商業国家の宿命だな、それが一番無難だ」


本当にこいつら大丈夫だろうかとメリアがもう一度深い溜息をつく、この資料を見ればセルフィアム帝国は本気で討伐をもくろんでいるのが解るはずだ、新型艦の大量投入と未公開の技術の発展が見受けられる。恐らく今回はセルフィアムが勝つであろう、その後蝙蝠で生き残れるかどうかは怪しい。


「私としてはどちらかに保険でかけるべきだと思うのだけど」

「ならいつも通りスリースターでいいだろう」


それは貴方が大量の賄賂を貰っている側に味方したいですわよねと皮肉を言おうと思ったが面倒なのでやめる。アルゲインの方もワインを飲みながらどっちでもいいし金になればいいときっぱりと言い放っている。今までどっちつかずで下手に生き延びてきた弊害かも知れないと思うと溜息が止まらない。


「私は・・・・セルフィアムに伝手を作っておきたいのだけど」

「大丈夫だってあの旦那は降伏すれば直ぐ受け入れてくれらぁ」


小さな鼻掛け眼鏡を掛けなおしながら分析した結果を発表するもアルゲインも完全に相手を舐めきっていて碌な発言をしない、痛い目を見てからでは遅いと思うのだがもうこれは仕方ないのかもしれない。どうせここでもめても多数決になる、私の意見が通ったことなどないのだから。


「ならば多数決だな、私はスリースターを押す」

「まぁ、大国の方が良いよなぁんじゃ、スリースターで」

「・・・・・お好きにもう決定したでしょう?」


いつも通りの茶番を得て勝手にスリースターに援助を始める、ちらほらと見慣れない監視艦が見受けられる、おそらくもうセルフィアムには全て筒抜けになっているのだろう。これでセルフィアムが負けてくれれば今まで通りになるのだろうけど、恐らくそんな楽観的な希望は通ると思えない。


「うまくいかないものね・・・・飾っているだけだから深窓のメリア・・・か」


自虐的に呟いて自分の手勢で所領に戻る。私の勘は多分当たる、次は敗戦の責任を取らされるのだろうか・・・・・それとも媚びを売るために相手に私を差し出すのだろうか・・恐らく私はその為の偽りの三巨頭なのだから、アルゲインとフェイスンが仕切って国を動かしている。そんなの誰が見ても解る。


「飾りね・・・飾り・ふふ・・・・・馬鹿みたい」


フェイスンの副官は口煩かった、それでもまだ先見の明はあったしその発言は国のためを思ったものであったはずだ、それなのに自分に反対するからと言って謹慎させた。あの子も結構かわいい子だったはずだわ、どうせ愛人にしようとして迫って失敗したんでしょうに・・ばっかみたい。


「メリア・・いい加減俺の物になれ、そうすれば贅沢させてやる」

「女性に粉を掛ける前に戦略にその頭をお使いくださいな」


帰り際にフェイスンが堂々とそう言って迫ってきた、結局道具としてしか見ていない。さらっと断ったが忌々しそうな顔をして悪態をついて去っていった。いっそこんな国滅べばいいのに・・・そうすれば私だって・・・・・。

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