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Unfinished Fantasy  作者: Slime
7/14

7

チュンチュンチュンと雀の鳴き声と優しい日差しが朝の訪れを知らせてくれる。


「朝に...なっちゃったか...」

春。新学期や入社初日。期待に胸を膨らませる季節だろう。

...俺にとっては憂鬱でしかない。


小学校も中学校も自己紹介とかで失敗して結局友達ができなかったんだよな~。



朝ごはんを食べ、制服に着替え、出発の準備を終えた俺は

「いってきます」

とりあえず学校へ向かう。



家を出ると、.大地に会った。

「おはよう千秋!今呼びに行こうと思ってたんだよ」


「おはよう大地。ていうかお前何で昨日何も言わないでログアウトしたのさ」


「え?...あぁ、今日の準備するために落ちたんだごめん」


「ま、いいけどさ。お前目のくま凄くないか?」


「楽しみで仕方なかったからな!ハハハ!」

ホントこいつは羨ましいぜ...。


「高校では同じクラスになれるといいな!」


「ホントに。なれなかったらまた一年中ボッチが確定するぞ」


「大丈夫だって!そんな心配すんな!」

どうだかな~。







そんなこんなで学校に着いた。

大地は一目散に駆け出し、クラス表を先に見に行った。


大地に追いつくと大声で

「やったぜ千秋!同じクラス!」


「よし、教室行くか」

今小さくガッツポーズをとったのは誰にも秘密だ。


「んだよもっと喜べよ~」


「はいはい、一年間よろしく頼む」


「素直じゃねえな~w」

正直めちゃくちゃ嬉しい。でもそれを口に出すのは照れくさいものがある。




教室には既に結構人がいた。

「お~い大地」

10人くらい大地に人が集まっていく。

...このクラスは同じ中学の奴が割と多いんだよなぁ。


俺と友達なんて知られたら大地の友達が減ってしまうだろう。

あいつはリア充なんだ。今までよくしてくれた友人に迷惑はかけたくない。


だから俺はすぐに大地から離れて自分の席へ向かう。

「おい千秋..!」


携帯をいじってアンファンの公式サイトを開くと昨日のプレインウルフの

一件がニュースになっていた。


マジかよ...俺のことも書かれてるし...。


「あ、それ昨日のニュース!君アンファンやってるの?」

突然後ろの席から黒髪ショートの女子が声をかけてきた。

...知らない子だな。


え?ていうか女子?俺に話しかけてくれる女子って絶滅したと思ってた...。


「え、あ、はい」

馬鹿野郎俺!そんなんだから大地以外友達できねえんだよ!

なんでこんなときにきょどるんだくそっ!!

これでほんとにハナシカテクレルジョシが絶滅してしまう!!



「ホント!?私もやってるんだアンファン!」

あぁ、可愛い...じゃなくて!!


「え!?君もやってるの?」

なんだか知らんが嬉しかった。


「うん!自慢じゃないけどあたし昨日

 そのプレインウルフ戦に参加してたんだ~!」


「そ、そうなんですか!」

俺も参加していたよ...うん。


「その後の祝勝会でこのアッキーさんって人と話したことあるんだよ!」

その人はまるでアイドルに偶然会ったかのように嬉しそうに語る。

あれ?話したっけかな?......あ、思い出した。


「もしかして君...エルフの僧侶ですか?」


「うん?そうだけど?なんで知って...まさか」


「僕アッキーです。昨日はどうも」


「え?本物!?本物のアッキーさん?」


「はい」


「アッキーさんって女だと思ってた...」


「よく間違われます」

そういうとクラスの視線が一気に俺の方に向く。


「え?アッキー?本物?」


「あのアッキー!?」


さすがアンファン。国民の8割以上がやってるゲームだ。

知らない人なんかほとんどいないか...。


この人のおかげで俺はボッチを卒業した。


ニュースというのはアンファン内のニュースという意味です。

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