3.仲のいい友達とチート魔法と
子供のころの風景っていいですよね。鬼ごっことチャンバラってなんでみんな夢中になるんだろう。5歳の中に混じって本気で遊ぶ大人を創造するとゾッとします。そんな感じで書きました。
また身体強化ってチートですよね。作風によっては身体を鍛えることなく最強になれます。チートな身体強化はあまり好きじゃないので変わった身体強化魔法にしてみました。あと他の作風にはあまり見ないものも入れています。拙い表現ですがこのアイデアは好きです。
5歳になった。
赤ん坊の時から魔力を身体に循環させるイメージをしてきたが魔導書を読んでからは意識して瞑想しながら魔力循環も取り入れてきた。
今では5歳の小さな身体に魔力が行き渡るのが感じられる。魔力経路ができているのでファイヤーボールなどの基本的な魔法も打てるようになった。
「転生ってチートだよなぁ。」
なんてことを瞑想しながら考えている。普通の子供に生まれ変わったが前世では小さい時からもっと努力しておけば、なんて思うことが叶うんだからな。加えて前世の記憶があるから自分をどういう風に鍛えようかいろんな選択肢が見えてくる。これだけで充分なアドバンテージがある。そして前世の知識を持っていることは魔法のイメージを大切になってくるこの世界では充分チートだろう。
やはり魔法という前世からみたらファンタジーの代表ともいうべきものを鍛えないなんて考えられない。いわゆる『剣と魔法の世界』で手のひらから炎や水、光などなんでも魔力次第で出せるのだ。夢中にならないほうがおかしいだろう。
差し迫って厳しい現実もある。剣と魔法の世界だけあって魔物や魔族もいるのだ。それらを束ねる王、すなわち魔王もいる、というテンプレな世界である。ここは人口500人程度の村というには大きいが町とはいえない場所だ。頑丈な柵で仕切られているが村の外では数km先に森が広がっており野性動物や魔物が出てくる危険もある。また村を襲うことは盗賊にとってリスクが高く、めったにないが旅先では襲われることもあるそうだ。自衛のための戦力は整えとかないといけない。
とはいうものの、のどかな村には戦争なんて無縁なわけで俺は村の子供達と長閑な日常を過ごしていた。
「アレク来ないで~」
「リディア遅いぞ、ターッチ!」
俺は村の中で同じぐらいの年齢の子供達と鬼ごっこをしていた。
子供同士の遊びって大事だよね。
同い年で元気いっぱいのアレク
1歳下でいろんなところについてくるリディア
現在鬼役をしている2歳上のガイ
一番歳上でリーダー役をしている。
同い年で活発な女の子のセナ
そして物静かだと言われている俺ことシャオ
小さい子どもと鬼ごっことかもうね、テンション上がらないのよ。
といつも5人で遊んでいる。最初はガイが鬼役をしてくれるのだが子供だからすぐ本気を出してアレクにタッチをするガイ。ガイにタッチできないから近くにいるリディアにタッチするアレク、鬼になると誰もいなくなり泣き出すリディア、かわいそうだから鬼を代わってあげるセナ、セナが足が速くて運動神経も抜群、アレクもガイですら本気で逃げている。俺はというと
「はい。シャオタ~ッチ!」
見事に捕まってました。
鬼ごっこの後は決まってチャンバラゴッコをする。
といってもまだまだ一番下のリディアは見てるだけだし、5歳~7歳の子供のチャンバラゴッコだ。細い木の枝を使ってやあやあと打ち合って遊んでいる。みんな騎士に憧れがあるらしく大きくなったら騎士になるんだと言っている。
剣かぁ。自信ないんだよなぁ。4人でチャンバラしてた時も思ったけど剣もそろそろ振らないとなぁ。
みんなが家路に着くときにシャオは家に帰る前に、まずは身体強化の魔法から始めるか、と考えていた。身体強化の魔法はラノベだと簡単に使えるものから秘奥義扱いまで様々だからな。まずは魔力循環から始めて血管に通してた魔力を筋肉にまで流す。その後、筋肉の動きを魔力で強化させていく。あくまでゆっくりゆっくりと強化させていく。
ジャンプしてみる。少し身体が軽くなったような気がする。走ってみる。少し早くなったかな?という程度だ。木の枝を振る。木の枝がしなり風切り音がなる。あれ?できてる?5歳の身体能力じゃあ風切り音なんて出ないはずだ。でも下半身のほうは誤差の範囲しか強化されてないよな?
そんなことを思いながら家路に着いた。晩ごはんを食べて部屋に戻る前に家にあったショートソードを抜こうとするが、刃先が持ち上がらずに抜けない。身体強化のために全体の魔力を纏うと一瞬にしてショートソードが持ち上がるが
「あっわわわっ!」
バタンと重さに耐えきれなくなり倒れてしまう。頭を打ち、後頭部をさすっているとヘキサ母さんがバタバタと走ってきて『何してるの?怪我はない?』と抱き抱えてくれた。その後、剣を触っていたことに凄く怒られたが。
本で調べた所、身体強化魔法とは魔力との伝導率が大事で肉体に魔力を行き渡らせて、それを解放することで瞬間的な爆発力を生み出す魔法だと書いてあった。達人になると鉄の盾、鉄の鎧ごと一刀両断したり、一歩で距離を詰めて相手まで肉薄できるそうだ。また魔力を纏うことで持続的に効果を発揮もするが微々たるものになるらしい。単純だけど極めると絶大な魔法だ。
もう一つ、試してみたい魔法がある。属性変換されていない魔法を使えばどうなるのか?属性変換していない魔力玉を木に当てた。ボコッと音がして木が凹んでいる。弱いものの一定の威力があった。次に魔力の塊を飛ばさずに固くさせる。それをコンコンと叩くことができる。成功だ。
次の日にアレクとチャンバラゴッコをする。アレクの降り下ろした剣を避けて、シャオが大きく振りかぶるとアレクに斬りかかる。ヒートアップした戦いにアレクはシャオの一撃を大きく避けると、全身全霊の一撃を繰り出したシャオはアレクに背中を見せることになる。それを見逃さないアレクはシャオに一撃を放った。その攻撃にシャオは咄嗟に手を出し
『ボキッ』
とアレクの木の枝剣が折れた。
『………ふえぇぇぇぇん』
大事な剣が折れてしまったことで泣いてしまうアレク。成功した。うっすらと手のひらに纏わせた魔力を固めた『バリアー』だ。しかしこの状況はまずいな。泣くか!
『ふえぇぇぇぇん』
泣いた振りをしてガイとセナ、リディアに二人とも慰めてもらった。まだまだ5歳は子供だよね。泣いてばっかりなのも普通さ。
お楽しみいただけましたでしょうか?




