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39話 逆行前の真実(1)

「へぇ。グエン卿と街に行ったのか」


「はい。とても楽しかったです」


 久しぶりに訪ねてきたロゼルトにリシェルは嬉しそうに報告した。

 父のグエンは、そろそろ敵襲に備える必要があると一時的に領地に帰ってしまったが、すぐまた戻ってきてくれるという。

 現在はリシェルの別邸の中庭で二人でお茶を楽しんでいた。


「よかったじゃないか」


「ロゼルトのおかげですね」


「俺は何もしてないさ。リシェルが頑張ったからだろ?」


 そう言うロゼルトの言葉にリシェルは微笑んだ。

 こうやってさらりと人を褒めるところがロゼルトは凄いとリシェルは思う。

 ジャミルに言われて気づいたが、ロゼルトは本当にリシェルをよく褒めてくれた。

 そこが彼の性格のいいところだと思う。


「ロゼルト。今日はお願いしたいことがあります」


「うん?何だ?」


 お茶を飲みかけていたその手を止める。


「私にも――私が死んだあと、どうなったのか教えてください」


 リシェルの意を決した表情にロゼルトは頷くのだった。


 ■□■


「本当にいいのか?」


「はい。大丈夫です。

 父に精神を落ち着かせる魔道具ももらいました」


 ロゼルトの言葉にリシェルは頷く。

 本当なら聴きたくはなかった。

 ロゼルト達がなんとかしてくれるなら――自分は見守るだけでもいいのではないかと思い始めていたのも事実だったのだ。


 けれど。

 ジャミルがああやって煽って来た事を考えれば、きっとリシェルが知らないままでは後悔すると思ったからこそリシェルに発破をかけてきたのだろう。


 前世で。命懸けで牢に自分を助けにきてくれたロゼルトを自分は拒んだ。

 きっとロゼルトの事だから、リシェルが逃げる意思を示せば無理をしてでも連れ出してくれただろう。

 あのとき、全てを諦めて目を閉ざし逃げたために、世界は滅んでしまったのだ。

 二度とあのような悲劇を繰り返させないために。

 そして、守られるだけではなくロゼルトの隣を歩けるように。

 ちゃんと真実と向き合わないとだめだ。

 

 だから立ち向かわないと。


 結果は同じかもしれないけれど。

 全力を尽くしてダメになったことと、何もせずにダメになってしまったことはきっと違う。


 もう、目を逸らした事で悲しい結末になるのだけは嫌だ。


 後悔しないと自分に誓ったはずだ。


 自分は自分に復讐してみせる。

 何もせずに諦めてしまった自分を、今度こそ乗り越えよう。


 それが私が誓ったことだから。


 

「……わかった。話そう」

 そう言ってロゼルトは飲みかけていたカップを置いてリシェルを見つめた。


「まず、時代が逆行したのは――俺のせいだ」



 語るロゼルトの話は……思っていたよりずっと悲惨な未来だった。

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