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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート1、『この異世界より平和への旅路を行く』
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オーギュスト 解答

 「死者の復讐・・・か」


 セレス 午前八時


 俺はどうしてかは知らないがふりふりの女の子みたいな恰好をした、かつて恐怖で世界を覆ったこの国の元支配者、ミカミ レイに出会い、奴の目的を聞いた。


 「もうすぐ奴らは世界を乗っ取りに動き出す。僕はその時の為にある仕掛けをしたんだ」


 「仕掛け?」


 「死者の復讐。それが僕の計画だよ」


 「死者・・・やはりお前は、死んだ奴らを生き返らせる方法を知ってるのか?」

 

 「知ってる。だけど全てを生き返らせれるわけじゃない。これにはかなりのリスクと条件が付く」


 「その条件を果たしていない奴・・・つまり、アーサーは生き返れねぇと」


 「そう言う事。そしてここからが重要だよ、生き返るには君が必用なんだ。本当なら君たちが僕の秘密に気が付いて作戦を暴くって言うのが一番だったんだけど、僕はここにいるし、何より時間がないから・・・ヒントだけ教えるよ。


 死者の復讐の作戦の実行には、彼らを呼び起こす必要がある。そしてそれを呼び出し、作戦名を伝えるんだ。呼び起こし、伝える。その二つを解き明かすのが君への試練だよ」


 「試練か・・・お前らしいと言うかなんというか。普通に教えりゃいいのによ」


 「あはは、別に君を疑ってるわけじゃないんだ。君の平和への覚悟を見たいんだよ。もし、これを解き明かせなかったら世界は奴らの手に落ちる。グレイシアも、フォックスもみんな失う。でも、君が解き明かせれば、一気に形勢逆転する。僕は君を信じたからこそ、僕は教えないのさ。それに、君はこっちの方が向いてるだろ?」


 「確かにそうだな、俺は誰かから答えを言われるのは好きじゃねぇ。自分で解き明かしてこそ意味があるってなもんだ」


 「じゃあ、頼んだよ。この戦いを終わらせるんだ。そして平和を・・・全ては」

 

 「平和の為にな」


 ・


 ・


 ・


 ・


 ・


 セレス 午前十時


 「あともうちょい・・・だがどうやって呼び起こす、その方法はどこにある・・・」


 俺はセレスにある図書館でミカミの残した()()を解き明かしてる最中だ。


 だが・・・どうにも行き詰った。もう少し聞いておくべきだったか?いや・・・


 「全てを解き明かすには全てを利用しろ・・・」


 その言葉が頭をよぎった。昔ミカミが探偵を本格的にやり始めた頃の俺に言った言葉だ。


 「敵であろうとなかろうと、協力しなければ答えは出ねぇってか・・・」


 そんな時だった、突然この部屋に電話がかかった。図書館にある公衆電話。ここには俺しかいない・・・俺に向けたなのか?


 「・・・オーギュストだ」


 『そろそろ行き詰ってるんじゃないか?兄弟』


 この声・・・そしてこの喋り方。アーサー?


 「・・・いや、違うな。貴様メリーヌだな」


 『あ、バレたか。さっすがは名探偵だ。死んだ奴が生き返って慌てふためくお前の声が聴きたかったんだがな』


 「イタ電なら切るぜ、俺は今てめぇを相手にしてる暇はねぇんだ」


 『いや、ちょっと待ってって。すんごい情報を手に入れたんだからさ』


 「すんごい情報だ?お前今何してやがんだ?どこにいやがる」


 『中央さ、あぁ知ってる?今中央すんごいことになってるよ?あっちこっちでドンパチ。俺もちょっと別の頼み事である人を護衛してたんだけど、まぁバケモノの多いこと多いこと』


 「そっちの事はニュースで見てっから分かってる。別にてめぇの報告はいらねぇんだよ」


 『だから待てってせっかちだな。俺今頼み事が終わって、ちょっと物色してんのさ』


 「混乱に乗じてまた怪盗か。今度は何を盗んだ?」


 『レイデングループ、本社ビル。ミカミ レイ元国王の自室』


 「あの部屋?あそこにゃ何もねぇだろ・・・俺が散々探しても、ごく普通の家庭の跡しか出てこなかったんだぜ?」


 『ばっかだなぁオーギュスト。あいつがそんなエロ本隠す程度の事をするか?もっと複雑に、まさに俺の為に用意したかのようにトラップが張り巡らされてたさ。それで、ようやく見つけた。奴の計画をね』


 ・・・ミカミの野郎、そう言う事か。全てを利用、メリーヌもその全てに入ってるってか。


 「計画だと?」


 『あぁ、オペレーションROD。ここにはそう書かれている』


 「おぺれーしょんあーるおーでぃー?なんだそりゃ?」


 『あ、そっか。君アルファベット知らないんだよね。アルファベットは三上の世界の共通語で27の文字で作られてる言語さ、これは英語って言ってね、それでこのオペレーションは作戦って意味さ』


 「なぁんでそんな事知ってんだ?異世界の言語なぞ」


 『俺、三上とは裏で色々接触してたからね、英語についても三上自身から聞いたんだぜ?というか、アーサーも多少は知ってただろ?聞いてないのか?』


 「確か女どもにひけらかす為に覚えてたな。それよりもだ、その、あーるおーでぃーってのは?」


 『あ、そうだったね。これが分からなかったから君に聞こうと思ったんだ。なにか思い当たる節は無いか?多分なにかの頭文字なんだけどな・・・』


 俺は悩んだ、こいつにミカミから聞いた死者の復讐について言うべきか・・・こいつを、信用してもいいのか。


 まずは俺だけで考えようと思ったが、あーるおーでぃーってどこで区切ってるのかも分かんねぇんだ。


 ここは折れるしかねぇな。

 

 「・・・俺は貴様を信用してるわけじゃねぇ。だが、今は全てを利用してでも真相を突きとめなきゃいけねぇんだ。だからこそ聞いてやる。死者をそのえいごとやらでなんて言う?」


 『死者?確か・・・DEAD、ディー イー エー ディーで、デッドだ』


 「・・・では、復讐は・・・」


 『・・・REVENGE、リヴェンジだ・・・そうか、そう言う事か!!』


 突然メリーヌは納得したかのように声を上げた。


 『オーギュスト、お前は三上の目的を知ってるか?いや、君は突きとめたはずだ』


 「まぁな、だが全てを言う事は出来ねぇ。俺から言えるのは『死者の復讐』それだけだ」


 『・・・分かったぞ、RODの意味。Operation REVENGE OF DEAD。全部つながった!!』

 

 「おい、何が繋がったんだ!?」


 メリーヌは通信越しに興奮してるらしいが、俺からしたらさっぱりだ。


 『この作戦名だよ、三上は二年も前からこの計画を考えていた。そして今、それを伝える時なんだ!!』


 そうか、俺もやっと理解できた。ミカミの言っていた伝えるべき言葉、それはつまりこれだ。オペレーション あーる おー でぃー。りべんじ おぶ でっどだったか?だが・・・


 「おい、興奮してるとこ悪いが、それをどうやって伝えるんだ?」


 俺がそう呟くと、メリーヌからピタッと声がやんだ。


 「そ、そう言えば・・・この答えは良いんだが、それをどうやって解答すりゃいいんだ?」


 ・・・よくこれで怪盗が務まるな。たまに思うんだがこいつ、勝ち誇ったとき大体ポカやらかすんだよな。ドジ踏むというか、とはいってもその直後に上手い事立て直されて逃げられまくってんだが・・・


 『バタン!!』


 「うわ!!」


 急に図書館のドアが開いた。どういう事だ、ここは貸し切りにしておいたはずだ・・・


 『なに?どうしたんだ?』


 「オーギュストさん!!」


 「おま、ユゥロじゃねぇか!!」


 部屋に乱入してきたのはアーサーの助手で今は俺と共に行動しているユゥロだった。しばらくどこかに行ってたと思ってたが、何か分かった事でもあるのか?


 「目的が、分かったんだ・・・」


 「おい落ち着きな、誰の目的が分かったんだ?」


 ユゥロは首を振って気を取り直すと、落ち着き語り始めた。


 「オーギュストさんはもう俺の正体は気が付いてると思いますが、俺はアウロの一員です」


 「あぁ、お前の情報網は少し異常な所があったからな、そうでしか納得はいかねぇ。とはいっても疑い始めたのはアーサーが死んでからだが」


 「そうですか。ではアウロとしてあなたにお願いがあるんです。今、中央での戦いを知ってますね?」


 「まぁな、お前ら曰く、本格的にこの世界を乗っ取りに来たと」


 「そうですね、表向きの任務はそうです。我々は世界を乗っ取りに侵略を開始した。だけど、あいつの、ディエゴの目的はそうじゃないんです」


 「違う?どういうこった」


 「あいつ、負ける気なんだ。この侵略は言わば陽動、このぶつかり合いを利用して何かをしようとしてるらしいんだ」


 「らしい?」


 「何かまでは分かりませんでしたが、あいつは力を探していました。それを見つける為だと」


 『・・・そう言えば、ディエゴは何かを思い出したような事を前に言っていたな。それ以降力がうんたらかんたらと・・・』


 メリーヌ、聞こえてたのか・・・


 「奴の思い出したことと、その力ってのはどうやら繋がってそうだな。ユゥロ、ディエゴはその力で何をしようとしてるか予測は着くか?」


 「えぇ、彼は復讐と言ってましたから、何となくは・・・ですが、今のままでは無理かもしれないんです」


 「どういう事だ?」


 「今のこの現状は、ディエゴの予測通りじゃなかったんだ。戦力に差がある・・・このままじゃ、俺たちが勝ってしまう。ディエゴのその力が手に入らなければ、全ての計画がおじゃんなんだ」


 ・・・奴は、何をしようとしてやがる。何を探している、力とはなんだ?


 『坂神 桜蘭・・・もしかしたら、彼に何かある?ディエゴは彼にやたらと固執していたんだ』


 「サクラ?あの金髪の奴か」


 「そういえば、一度ディエゴは彼に自ら会いに行っていた。その時に『あともう少し』だと」


 『だが、今ここには彼は来ていないぞ?そうか、ディエゴは力を持った桜蘭を待っているんだ!!』


 その為にこの襲撃を・・・前にエルメスから聞いた話じゃ、別の旅をしていると言っていた。四精霊を探す。力とは、四精霊か?


 しかしだ、奴はまだ来ていない、力を手に入れてはいない。


 「なに?」


 急にユゥロが俺じゃない誰かと会話し始めた。耳に何か当てて聞いているみたいだ。


 「俺はセレスにいると言っただろう。今から中央に行けと言われても無理だ。それに俺には別の任務があるんだ」


 奴もアウロの一員、どうやらユゥロにも襲撃の命令が出ているようだ。


 「全く・・・そんな急に呼び出されて行けるわけないだ・・・オーギュストさん、すいません。こっちもごたごたしてまして」


 ・・・呼び出す?仲間を呼ぶ・・・


 「そうか!!!!」


 全部の答えが出た!!電話だ!!電話で呼ぶんだ!!


 「おいメリーヌ!!」


 『は、はい!?』


 「呼び出す方法が分かった!!電話!!電話を使って呼び出すんだよ!!」


 『あ、そうか!!その手があったか!!だが、番号はわかるのか?』


 馬鹿言うな、なんの為に色々調べ事したと思ってるんだ。そのヒントは手に入れている。だから繋がったんだ。


 「おいじゃ、いったん切るぜ」

 

 『え、あちょ!!ブツ・・・』


 俺は問答無用に受話器を置いた。


 「戦いが終わる。ユゥロ、お前は向こうの世界の事には詳しいよな」


 「え?えぇ、一応向こうには長いこといましたから・・・」


 「向こうで一般的に言われている戦いの終わる日ってのはいつだ?」


 戦いを終わらせる、そして平和を・・・この言葉もヒントだった。戦いが終わる日、その時刻。それが答えだ。そしてそれは異世界で起きた出来事を打ち込む。これはニヒル アダムスの本から分かった事だ。第二次世界大戦と呼ばれる異世界の戦争。ミカミはそれを番号に組み込んだはずだ。


 「戦いの終わる日・・・で、日本に関係のあるのは、第二次大戦か?その戦争の終戦の日は、世間一般的には1945年9月2日と言われてます」


 「一九四五年、九月二日・・・それか」


 俺はその番号を打とうとした。


 「・・・いや、待ってください。日本では違った・・・8月15だ。現地時間、正午。『大東亜戦争終結ノ詔書』がラジオ放送された。日本ではそれが一般的な戦いの終わりを意味していたはずだ」


 ミカミはニホンから来た・・・それだ。

 

 数字は四桁ごとの組み合わせ、先に井桁をはさむ。


 「#一九四五」


 そしてナシの部分には*を入れる。こっちにはゼロという数字がねぇからな、ナシの番号は使わない、


 「#*八一五」


 最後に時刻だ・・・この組み合わせ、そしてこの年・・・同じだ、ニヒル アダムスの手記の一文にも書かれていた。この日に戦争は終わったと・・・ミカミはここから取ったんだ。戦いを終わらせる最終兵器ともいえる存在、ディエゴも知らない、奥の手だ。


 「#一二**」


 『プルルルルルル・・・・』


 『・・・戦いを終わらせる答えは?』





 「オペレーションROD、REVENGE OF DEAD」


 



 創暦五百二十年 六月二日 午前十時十五分 


 オペレーションROD、始動。


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