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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート1、『この異世界より平和への旅路を行く』
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馬と鹿 ターニングポイント

 一兆たちはセレスを満喫中、カラスちゃんとキツネ君に出会い、特急はその最中ビリーから自身の武器を授かる。

 何が起こったのかよく分かんねぇな。後ろ振り向いたらトクの野郎がいつの間にか馬鹿でかい剣持ってるし、この仮面組はなんかそれ知ってるっぽいし・・・びりりんって誰だ?


 「あのさ、いきなりで悪いんだが、何が起きてんの?」


 とりあえず説明しろ。ついてけねぇ。


 「うーんとねぇ、今の一瞬の間にその、トクッチがそのひじょーに厨二臭い武器を手に入れてたって訳」


 「・・・は?」


 「意味わかんねぇね」


 カラスの言ってる意味が分かんねぇ。って、あ?俺まだ自己紹介した覚えねぇんだが・・・


 「つまり、びりりんこと、ビリー ラックスってのがおるんだけんどな、どうやったのかおらには分かんねぇが一兆がこっち向いてる間にビリーがその武器、名前は『なんかごちゃごちゃしたすごいの』ってのを特急君に渡したってことだべ」


 あぁ、キツネの説明で分かった。分かってっけど・・・どうゆうこっちゃ。てか、なんだその名前・・・武器の名前で良いのか?


 「まぁ分かんないわね。でもあいつ実力は確かだしねぇ、時間でも止めたんじゃないの?知らんけど」


 時間を止める?なんだそりゃ、ポーズ機能なんてあったのかこの世界。


 ともかく俺たちはこうしてこの2人と出会った。少々変わってるが、なんだか面白い奴らだ。俺たちは4人で街中を見て回った。2人とも大概自分勝手な性格で特にカラスは常にふざけている。しかし今までつるんでた奴らより幾分かまともに見える。他の奴らはギャーギャー騒ぐだけで正直うるさかっただけだしな。


 「ん?なんかやってんのか?」


 なんか表通りの一部に人だかりができてる。なに、有名人でもいんの?


 「あ~、おらでもよく見えねぇぞ、誰かいるみてぇだけど。分かんねぇや」


 この中で一番身長の高いキツネが背伸びしてみているが何が起きてるのか分からないらしい。トクは飛び跳ねて見ようとしてるが、いい加減その剣しまえや・・・ま、いっかどうせ見た所で何にもなんねぇし。


 そんな事を思って俺は逆方向に向いた瞬間、


 「いて」


 「お、わりぃな急いでたもんでな」


 俺は少し目つきの悪いおっさんとぶつかった。どうやらこいつもあの人だかりに向かってるみてぇだが、なんだ?他の野次馬と違ってこいつは追ってるってかんじだ。


 「あのさ、向こう何かあんの?」


 「なんでも滅茶苦茶かわいい子がいるらしいよ」


 答えたのはおっさんではなく、後ろからやって来たもう一人の男だった。20代前半くらいか?見た目は・・・


 「あや~!?ユゥロっちじゃん!」


 「こんなとこでなにしてんだぁ?それにおんめぇ女の子にゃ興味ねぇよなぁ?」


 どうやらこの男は2人の知り合いみたいだな。


 「なんでぇユゥロ。こいつら知り合いか?」


 「まぁそうです。情報の共有者って感じです」


 「ほぉ、俺はオーギュストってんだ。よろしくな・・・」


 なんだこいつ、若干だが敵意を感じる。俺の事もそんな目で見てる。


 「オーギュストさん、あなたは先に行っていてください。丁度この人たちに会いたかったとこですから」


 「・・・おう、分かった」


 オーギュストは素早くこの場から去った。空気を読んだかのように消えたな。


 


 「・・・さてと、早速だがキツネ君、一つ聞かせてくれないか?」


 「んあ?いいよ?」


 「何故、アーサーさんを殺したんだ?彼は死ぬ必要はなかっただろ?」


 「あ、そうだよ!!あ~思い出してきた!あんたがそれやったせいで今んとこあたしの任務、全然出来ないんだよ!?」


 殺した?このすっとぼけたノリのこの田舎臭い奴が?


 「その事かぁ・・・実は極秘なんだけど、おらの任務は組織を探ろうとしてるのは問答無用で殺せって言われてるんだ。あんたがアーサー コンシンネを慕ってたのは知ってっけんど、彼は知ってしまったって事でおらに命令が来たんだ。ごめんなぁ、おら命令無視は出来ない身だかんね」


 「・・・そうか、だったらあともう一つ質問いいか?アーサーさんの抹殺命令、送ったのはディエゴか?」


 「いんや?おらの方は本部から直接言われてるだけ。少なくともディエゴじゃねぇぞ、誰かは分かんねぇけんど、本部の方の誰かってのは間違ぇねぇさ」


 一体全体何の話だ?この世界の奴を殺したってどうもならねぇだろ・・・いやまさか、グレイシアと同じような感じか?こいつの任務はバグを消す事って捉えれば・・・だとしたら。


 「分かった、それならいい。ディエゴを疑ったのはやはり間違い・・・」


 「・・・あのよ、アーサーの事怒ってる?」


 「いや、お前も任務をこなしただけだ。まぁ最初は怒り心頭だったが、今は責める気はない。今回の件は事故と言った方がいいのかもしれないな。情報の伝達ミス、つまり俺のせいでもある・・・」

 

 「情報ねぇ、そういやあたしとバカギツネって全然違う任務だったよねぇ、どうなってんだろ~ね~。こいつは殺せとか言われてるけど、あたしゃ引き入れろってね、全くどうなってんのかねぇ」


 こいつらさっきから割と平気な顔で殺すとかの話してるけど、マジなのか?


 「だな、だが彼の死が、今言ったどの理由でもなかったとしたら・・・あ、じゃあ俺はそろそろ行くよ」


 最後にユゥロは何かを言いかけたが、そのままその場を後にした。


 「なぁ、今のどういう事だ?殺す殺さないってのは」


 「ん?あぁその事かぁ、要するに何て言やぁ良いんかなぁ・・・簡単に言えばバグ修正っちゅう感じ?ここの秩序を守るにはそれを脅かす者を排除しなきゃなんねぇんだ、それがおらの仕事なのね」


 バグの修正・・・やっぱそうなのか、この世界を安定するにはバグは排除しなきゃいけねぇ。要するにデバックってやつだな。てことはこいつらはデバッカーか?だが違和感を感じる。なんだ?


 俺が珍しく考え事をしていたら突然キツネは誰かと話しだした。どうやら誰かと通信してるみたいだ。


 「なに!?グレイシアが見つかっただって!?」


 何!?はこっちのセリフだボケ!!今こいつなんつった!?


 「・・・分かった、これより現場に急行する。任務開始だ」


 こいつ、さっきとは別人だ。口調もそうだが、後ろ向いてんのにこいつの殺気は今までで感じた事がねぇ、殺人鬼ってのはこう言うやつを言うんだろうな。


 そしてキツネは青い炎を纏い一瞬でその場から姿を消した。


 「あ、おい!!」


 「うわ~はっや~・・・」


 トクは特に何も分かってない顔でその様子を見ていた。


 「っ!!」


 「え!?イッチーどこいくの!?」


 「どこって、あいつ追うに決まってんだろ」


 なんだこの違和感、居ても立っても居られねぇ・・・だがどこに行くのか。


 「やっぱ・・・こうなっちゃうのか」


 今度はカラスがボソっと何かを言いだした。


 「おい、あいつどこに行ったんだ?」


 俺は少し脅す感じでカラスに聞いた、だがカラスはふざけた様子がきれいさっぱり無くなっている。俺の脅しに何かしら反応すると思っていたが、カラスはマスクを外して答えた。


 「追ってはいけない・・・」


 「は?何言ってんの?」


 「キミは今人生で最も大事な分岐点、ターニングポイントに来てる。キミが今望んでいるのは何?」


 俺が望んでる事・・・


 「あ、グレイシアでしょ!イッチーよー、気持ちは分かるけど相手はゲームの人だよ?それを・・・はがぁ!!」

 『バギィッッ!!』


 「おいトク・・・次なんかいったらマジでぶっ殺すぜ?」


 「え、あ、はぃ・・・そんなになの?」


 俺は結構強めにトクの顔面に裏拳を入れた。こいつはもう無視だ、黙れ。


 「だが、トクの言った通り、俺は正直グレイシアが気がかりだ。ここであいつが死んだら、グレイシアというバグはこの世界から・・・」


 「消えちゃうよ、だけどそれはこの世界のためでもあるの、この世界を救うには彼女は消えなきゃいけない、そうしないとこの世界は壊れるもの」


 こいつなんなんだ?まるで未来の事が分かってるかのような風に言いやがって・・・未来が分かる?そういやこのゲームにはストーリーってのがあんのか?


 「世界が壊れるって、あいつそんなヤバいバグなのか?いやラスボスみたいなもん?」


 「そうだね、ラスボスの方が分かりやすいね、今この世界は徐々におかしくなっていってる、その原因の一部は彼女の存在でもあるの。彼女を消さないとその内この世界は壊れてしまう」


 「・・・つまり、グレイシアさんがいるのは俺たちもヤバいって事なの?」


 「そうだよトクっち、本当はこの事に巻き込むつもりはなかったんだけどね、いつの間にかキミたちは彼女と接触してしまってた」


 ・・・なんで、なんでこんなゲームごときで俺はこんなに悩んでんだ?俺は感化されやすいタイプじゃねぇ。この世界はゲームだ、そしてグレイシアはバグ、消さなきゃいけねぇ。そんな事は考えなくても分かる。


 だけど俺の何かがそれを止めろとかぬかしてやがる。


 「なぁお前。俺は今ターニングポイントに来てるとか言ってたな。正直に言うと俺は今すんげぇ悩んでる。けどな、俺の答えはもう出てたわ、最初ここに来た時の条件でこの世界では何してもいいって条件だった。だからこのゲームが世界がどうなろうが関係ねぇ、だったらここぶっ壊してもいいんだよな。ここは割と面白れぇと思ってたんだが、壊した方がもっと面白いんじゃねぇの?って思った。あんたらにはわりぃがな」


 「・・・・・・きっと後悔するよ」


 「何やっても後悔しないようにするのが俺流、後悔する奴はギャンブルなんてやれねぇし、勝つことなんて不可能なんだよ」


 「そう、なら行くといいよ、これで全部の答えは得られたからねぇ。だけどこれだけは言っておくよ、グレイシアを守るならキミは大切なものを切り捨てなきゃいけなくなる・・・さてと、あたしもそろそろ準備しましょかねぇ。じゃあね~、トクッチにイッチー!また遊ぼ~!!」


 最後はカラスは相変わらずの軽いノリでこの場から飛んでった。


 「おいトク、行くぞ」


 「え~・・・ほんとどうしたのよイッチー。向こうに任せりゃいいってのに」


 「また殴るぜ?」


 「はいはい、まぁどうなるのか気になるし、行ってみようかね・・・ってどこに行くの?」


 「感じたままに行きゃいいんだよ」


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