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Dangerous Encount  作者: フランカー
16/33

Escape

「Heeeeeeeeeeeeeey!!!」

山中が残りの半分を運び終わった辺りで誰かが呼びかける声が聞こえた。田中は入れ替わる形で部屋の方にいるが、田中の耳にも入っている。

「ん?今人の声が聞こえたけど…、うわ!!なんだよ!!?嘘だろ!!?」

南側の道路から一直線にこちらへ向かって走ってくる武装をした人とそれをまるで覆い隠さんとばかり襲いかかろうとする化け物の大群。

「田中さん!!田中さん!!急いで!荷物最悪置いといてもいいから!」

「え!?何でですか!?」

「奴らが30〜40人くらい迫ってきてます!急いで!!」

「…!わかりました!」

田中のこの往復で荷物が全て運び終えた。

山中は再び迷う。

「逃げるなら今だが、どうする…。あの人を見捨てて行くのか…。目の前で助けられるかもしれない人がいるのにか…?」

山中は被害者のことを思い出したが、感情的になり過ぎずどちらが今後のためになるかを考えた。「ここでリスクを冒すべきか、冒さないべきか。」

答えは出た。山中は田中に指示を出す。

「田中さん、いつでも道路をまっすぐ突っ走れるように準備してください!私はあの人を援護します!」

「えぇ!?そんなあの人を乗せる暇なんてありませんよ!!?」

「気持ちは理解できますがお願いします!最悪武器は載ってますからもし間に合わなかったら田中さん1人だけでも!」

田中は渋々と頷き、荷物を載せ続ける。

山中はマークスマンカスタムしたRecon Rifleを取り出し、膝をついて化け物群に向ける。

「Nooooooooooooooo!!!!」

俺は人間だというアピールをする生存者を無視する。声で作業を止められるのはまともな社会の中だけだ。今は違うのだから。それに生存者を撃つつもりなど、山中には全くなかった。

「先頭にいるやつを転ばせることができればもしかしたら…!」

山中は先頭を走る化け物に照準を合わせ、引き金を引く。

「ピスッ」

化け物にヒットするも、肩に当たったため化け物はすぐ態勢を立て直し生存者を追いかける。

「チッ!」

山中はピンポイントに頭を狙うことを諦め、先頭の化け物に照準を合わせひたすら引き金を引き続けた。

「ピスッピスッピスッピスッピスッピスッピスッ」

「ドサァ」

「ドタドタドタ」

「グギ!グァ!」

「とりあえずやりたいことはやれたが、効果はあんまりか…!」

先頭を転ばし、その後ろを走っていた化け物数匹転んだが、その上を踏み越えるように後方の大群が押し寄せる。

山中はあまり効果のないことを悟って脱出の準備を始める。

「田中さん!あの人が乗りかけたら発進してください!あの人と奴らの大群との距離は10mくらいあります!奴らが車に追いつけなくなるまでは私が援護します!」

「わかりました!」

生存者との距離、20m。ゾンビ群との距離、30m。

山中と田中は恐怖で震えつつもお互い準備を終える。田中は運転席で待機。山中は銃を取り替えて至近距離で対応できるように416Dを構える。

「C'mooooooon!!!」

生存者が英語で叫んでいたため、山中も英語で叫び大きく手を振る。英語の発音はそれほどでもない。

「ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」

生存者との距離、5m。

「田中さん!出して!!」

「はい!」発進し始め、山中は生存者へ手を差し出し、生存者の走ってきた勢いを利用して無理やり後部座席へ引きずり込んだ。

「アクセル全開で!!」

「ブオオオオオオオオン!」

山中は普段軽自動車のエンジン音を頼りないように聞こえていたが、この時ばかり頼もしいと心から思った。

ゾンビ群との距離も残り3mとなり、山中は生存者を退けて車から半分身を乗り出し、フルオートで先頭へ撃ち放った。

「スタタタタタタタタタァン!!!!」

「ギャ!」

「ケェイ!」

先頭を怯ませることに成功したのと同時に車のスピードも徐々に上がり、距離が離れていくのを見て安堵したその瞬間。

「ダァァン!!」

「おわ!?何だ!!??」

車の天井に足跡と手のひらの跡がついた。あの中にいた1匹が車に乗り込んできた。

「クッソ!諦めが悪いなこいつら!」

半ば苛立ちながら山中はおおよそいると思われる位置へ天井に向かって打ち続ける。しかし抜けた穴からは化け物の姿は見えない。

「あれ?どこ行きやがった?」

「グァァァォァア!!」

「ゔぁぁぁ!!?」

山中が迎え撃つ際に開けっ放しにしていたドアから化け物が山中の肩を掴む。山中は抵抗するのに一杯だった。

「やめろ!クソ!離せ!離せ!!」

「うわぁぁ!!山中さん!山中さん!!?大丈夫ですか!!?」

「グァァ!!」

山中と田中は混乱状態に陥ってまともな判断ができなくなった。山中はどうしようもないと悟ったが、1人冷静な人物がいた。

「Fuck!!Get out here!!」

生存者は持っていたナイフを化け物の腕に斬りつけ、山中から引き剥がす。

山中は後ろを振り向いて銃を構え、闇雲に乱射する。

「スタタタタタタタタタァン!」

「ズルッドサッ」

化け物が道路に滑り落ちるのを見て静かになり、やがてエンジン音と3人の荒い呼吸のみが聞こえるようになった。

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