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23.思惑

23.思惑


 木下たちは佐久平駅の立科口近くにあるホテルの駐車場に車を入れた。車を降りると、小山が雅代を伴ってフロントへ。木下はそのままロビーで待機した。フロントから部屋の鍵を受け取った小山が木下に声を掛けた。

「じゃあ、部屋で待ってるから」

「ああ。ヤツが来たら連絡する。それまでは好きなように過ごせばいい」

 そう言うと、木下は新聞を広げた。

「ねえ、お腹すいたんじゃない? その前に食事でもどうかしら?」

「だったら、部屋でルームサービスでも頼めばいい。俺はいい」

「行きましょう」

 不満げな表情を浮かべた雅代をなだめるように小山は雅代の肩に手を回して、エレベーターの方へ誘導した。


 佐久市内へ入った矢沢の元に黒木から電話が入った。

「先輩、木下たちは佐久平駅前のホテルに入りました」

「解かった。そっちはどうだ?」

「横川のサービスエリアを過ぎたところです。もう少しかかりそうです」

「落ち合うのがそのホテルとは限らん。そっちはそっちで森山を見失うんじゃないぞ」

「了解です」

 間もなく矢沢はホテルに到着した。駐車場に車を入れると、小山が購入した車を見つけた。その隣に車を停めると、ロビーへ入って行った。


「これからどうするんです?」

 ベッドに腰かけた雅代に小山が尋ねた。

「まさか、こんなことになるとは思わなかったわ…。陽介君には迷惑を掛けちゃったわね」

 雅代にそう言われると、小山は後ろめたさでいっぱいになった。元々雅代に近付いたのは木下の指示だった。雅代をたぶらかして森山から離れさせるのが目的だった。それが雅代と接している間に次第に魅かれていった。

「雅代さんは俺のことをどんな風に思っているんですか?」

「好きよ」

「好き…。ですか…」

「そうじゃなかったら、一緒に逃げようなんて言わないわ」

 小山は雅代からその話を持ちかけられた時のことを思い出していた。





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