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行列!異世界の動物園~魔王が園長です。  作者: 立鳥 跡
第三章 再生! 異世界の植物園~世界樹の復活!!
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第四十七話 植物園と老夫婦


 ワシは長年帝国で妻と二人三脚で小料理屋をやって来た。

 だが妻もワシも気付けば六十歳。

 体も長年酷使したせいか、夫婦共にボロボロ。

 子供に恵まれなかった為に小料理屋を継ぐ人間もいない。

 そろそろ店を閉めるかと妻と話していたとき、うちを長年ご贔屓にしてくれたお客さんからエルフの住まう地エルドラドに植物園なるものができて、宿屋もあって、あの世界樹を間近で観られるらしいと聞いた。

 それだけだったら興味も湧かなかったかもしれないが、なんと見たことのない料理、世界樹の葉で入れた美味しいお茶や伝説になっている世界樹の実のタルトが食べられると言うではないか。

 辞める前にはちょうど良さそうだ。

 長年旅行の一つにも行かせてやれなかった世話になった妻を連れてそのエルドラドに行ってやろうじゃねぇか。



 来てみたはいいが、なんだこの観光客の多さは。

 船に乗って降りてみれば、そこは人だらけ。

 こりゃ、宿屋はとれないかもしれないと諦めながら宿屋を訪れると、ちょうど二人部屋の部屋が一部屋空いていたらしい。

 幸先がいいし、このまま世界樹に行くことにした。


……言葉が出ねぇってのはこういう事か。妻なんか涙を流している。

 この木があるおかげで世界が乱れずにすんでいるんだよな。

 そう思うと妻とワシも自然と片膝をつき、手を組み祈っていた。  

 世界樹を見終わるとエルフのガイドで森の中を観て回る事になった。

 森を観てる植物系魔獣のマタンゴやトレント、そして木の妖精と呼ばれているドライアドまでいやがる。

 マタンゴが飛ばす胞子は旨いキノコが育つ。だからマタンゴの近くを探せば美味しいキノコがたくさんある。

 トレントの枝になる果実はアボカドに近くて、サラダによく合う。

 そして木の妖精ドライアドの周りには、美味しい山菜がなりやすいと言われているがすべて本当だった。

 歩きながらしばらく進むと川がが見えてきた。

 どうやらここで川魚を捕るらしい。よぉし、釣ってやろうじゃねえか!

 ワシは一匹も釣れず、妻が五匹程釣っていた。なぜだ。

 多少悔しい思いをしながら宿に戻る。

 すると食事の前にお風呂を進められた。なんでも世界樹の葉の汁を混ぜた風呂らしい。

 入ってみると今まで酷使してきた体が癒された感じるがする。

 風呂からあがると腰痛で悩まされていた妻も楽になったと言うんだからワシの体が軽くなった感じがするのも間違いじゃねぇらしい。

 風呂の間に料理は準備されていたらしく、さっそくテーブルにつき、食べさせてもらう。

 まずはこのキノコや山菜の天ぷらという料理から食べさせてもらう。

 宿屋の料理人に天つゆ、塩、どちらでもお好みでと言われたのでまずは塩で食べさせてもらう。サクッと揚げられた衣の中にキノコや山菜がホクホクといい感じに火が通っている。塩も素材の味を引き立たせていて旨い! 次は天つゆで頂くとしよう。

 うん、天つゆも素材の旨味をより際立たせていて旨いが、ワシは塩派で、妻は天つゆ派らしい。

 続いては川で釣った魚の塩焼きだ。

 ちょうどいい塩梅に焼いてあって、皮の焦げも旨い。なかの身もホクホクとしていて塩味が効いていて旨い! 出されたご飯を何杯もおかわりしてしまった。

はぁ~、美味しかった。そして食後の一服でワシは緑茶を妻は紅茶を選んだ。

 このお茶は世界樹の葉から作られたらしい。

 うーん、なんとも深い味だ。飲んでるだけで体に活力が染み渡るようだ。

 妻の紅茶も一口もらう。こちらはワシが頼んだ渋い緑茶と違って随分とフルーティーだ。

 同じ葉なのにこうも違うとは。

 店員に聞いてみるとお茶を作る工程が違うらしいがそれ以上は企業秘密らしい。

 お茶を楽しんでいると一番楽しみにしていた世界樹の実のタルトがやって来た。

 匂いだけでわかる。こいつは旨い奴だと。

 喉をごくりと鳴らしながらタルトにフォークをサクッと入れる。

 タルトを割ると中から世界樹の実の食欲を誘う甘い匂いが。

 もう辛抱たまらん! 口の中に入れた瞬間、タルト生地の香ばしさと世界樹の実のなんともたまらん旨さが口の中、いや体中に広がっていくような気がして残りのタルトも全部一気に食べてしまった。

 妻も夢中で食べたらしく、タルトのおかわりを頼んだ。

 

 あー、食った食った。あとは寝るだけなのだが、宿屋のベッドは硬いイメージがあって果たして気持ちよく寝れるかどうか。

 はい、あまりの気持ちよさに夫婦共々熟睡で危うく帰りの船に乗り遅れる所だった。

 なんとか帰りの船に乗れたが、ワシは一つ妻に謝らなければいけない事がある。

 それは小料理屋を続けたいという欲がこの島で癒されていくうちに湧いたということ。

 それを伝えるとどうやら妻も同じ気持ちになったらしかった。

 そして妻と話した。小料理屋を頑張って一年に一回はこのエルドラドに来ようと。

 

読んで頂きありがとうございました。

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