第三十八話 皇太子②
よろしくお願いします。
アスファルト帝国のある部屋にてスルト·アスファルトは、落ち込んでいた。
「君にはガッカリだよ、メリクルス公爵。白鯨を攻撃して怒らせた白鯨を魔王達にぶつける? 魔獣の扱いに長けたカシワギトウタが居るのに、成功すると思ったの? 仮に戦い合う事になったとしても魔王がいるんじゃ白鯨じゃ役不足だよ。リヴァイアサン所か白鯨や他国との交流もさせるなんてこのミスは結構大きいんじゃない?」
「ば、挽回のチャンスを! 必ずや我が自慢の水軍で水族館を潰して見せます!!」
狸の様な太った体を震わせながら頭を下げるメリクルス公爵。
「落ち着きなよ。君のご自慢の軍船が十隻白鯨によって壊滅にされたのを忘れたのかい? 水族館には白鯨を超える強者が何人も居るんだから返り討ちにあうのは目に見えてるよ。それにアスファルト帝国の水軍を仮にも平和条約を結んでいる国の施設に攻撃ってバカなのかな。そんなことをしたら、再び戦争が起きて僕らが負けちゃうことになりかねないよ」
「ぐぬぅ、しかしどうすれば」
「どうもしなくていいよ。これ以上君が動くと父上達にも勘づかれるからね。しばらくは様子見しよう。それに僕達には、頼れる諜報員がいるしね」
「ぐぬぅ、わかりました」
冷や汗を拭きながらメリクルス公爵は震える。
スルト·アスファルトという人間は昔から何でもできた。
剣術を教えれば指南役を超え、魔術を習えば上級魔導師レベルの魔法が使えるようになり、戦術学を学べば、帝国の軍師長の一番弟子になる程の人間である。
そんな皇太子の一言一言がメリクルス公爵にとっては針の様に突き刺さる。
「それにしてもカシワギトウタか。まさかリヴァイアサンを本当に手懐けるなんて面白いなぁ。確か父上にも水族館のプレオープンの招待状がきていたなぁ。一緒についていってカシワギトウタがどんな人物か早く会いたいなぁ」
言葉とは裏腹の冷酷な瞳がメリクルス公爵を震わせる。
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