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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
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そしてまた新しい日が始まる

『……すっごい注目されてるなぁ。何だろう、外国人の体格に注目されてるのかなぁ』

『まぁ滅多に見ない筋肉美だからな。混んでたらこれ以上の注目になるだろうとは思うけれども。いや、もういっそ誇ろうぜここまで来たら』


 除夜の鐘というのは、日本の陣じゃ何処でも混んでいると思い込んでいたが……意外とそうでもない所もあるらしい。有馬さん曰く、とても良いお寺さんらしいのだが、立地の関係等でどうにも一足が伸びない、との事だが。


『とはいえ、角に磨きかけて良かったなぁ。見られてしまうんだからねぇ』

『兄貴念入りに角磨いてたしなぁ』

『嗜みの基本じゃないか、歯を磨くのと角に磨きをかけるのはさ』


 んまぁ、そりゃあなぁ。汚い角を見せるなんてそれこそ不摂生だって喧伝してるようなもんだからなぁ。あー、そう考えてしまうと、俺ももうちょっと綺麗にしておけばよかったか。


「調べるの大変でしたー。近くで、あんまり混まずにスムーズに聞けるような場所ってあんまりなくて……折角の旅行先で混んだ場所、入りたくないですもんね」

『気遣いの塊の人かよ……あの島と比べてあまりにも優しすぎて泣きそうですわ』


 おや? 女たらしの兄貴が逆に攻略されていませんか? コレはミノタラシですね、いやぁ有馬さんは小悪魔だなぁ間違いない……冗談は兎も角として、島の奴らと比べるとめっちゃ気遣いしてくださいますし、そりゃあ感動しても仕方ないというか。


『あぁ、これが正常な気遣いって奴なんだなぁ……あれ、なんだろう、ちょっと涙が』

『泣いておけ兄貴。俺も日本に初めて来たとき同じような感じになった』


 ホント、就職先が何処の山かさっぱりで、町の外れをうろついてきた時に近くの高校生が……あの時は日本の暖かい心に触れて、人知れず男泣きしたっけ。


『俺日本に移住しようかなぁ……』

『でも実家に馴染み切っちまったんだろう? ……手遅れだぜ兄貴』

『そうか。そうだな……こんな暖かな国に、生まれたかった』

「もうちょっとで始まりますね……ってどうしてんですかお二人共!? なんで泣いているんですか!? 何かあったんですか!?」


 ちょっと一芝居してるだけだから安心してくれ。しかし兄貴は速攻で泣くのが美味いから騙されちゃう……となるとこのまま騙されたままか。口じゃ誤解は解けないだろうしここは……よし。


『うーん、冗談なんだけど……えぇっと、どう説明すればいいのか』

『言葉では無理というなら……兄貴、俺に合わせろ。日本でのオチと言ったら最高のポーズがある』

『日本通のハチがそういうなら……任せるぞ!』


 良し、兄貴は後ろ、俺が前だ! 手を目の前でクロス、そうそう、後はその腕を鶴の羽の如くバサッと広げる感じで……


『いやハチ、これ見た事あるよ? ダメだよコレ。すっごい有名な芸人さんのアレだよ』

『え? 何の事かなぁ……』

『日本通じゃないけど僕だって知ってるよ。タカアシガニの物まねが得意な芸人さんのショートコントの締めじゃないか』


 ええいつべこべ言わずにやれこの馬鹿者が! このオチを付けないと分からんだろうが俺達が冗談というか、冗談の言い合いしてたって……


「……あー、成程。さっきのって、そういう感じの……」

『大体、無駄に心配されている状況をどうにかしたいって言ってんのに落ち着けてどうするんだよこの馬鹿! もうちょっと考えて発言しなよ!』

『うるせー兄貴だって賛成してたろうがバーカ!』

「ってお二人共なんで急に唸り合ってメンチ切り合ってるんですか!? 止めてください人が見てるんですよ! 止して! ストップ!」




「えーっと、コレで……一〇八回目、ラストです!」

『いやぁ、結構迫力のある音だったねぇ……さて、後はこのまま初詣かな?』

『いや、初詣は神社だろ。寺社じゃなくて。全く兄貴は日本にわかだなぁ』

「さ、お二人共、このまま初詣に行きましょう!」

『えっ?』


 あ、ホントだ。周りの人ももう結構お寺さんの方に行ってる……寺社でも出来るんだね初詣って……知らなかった。


『ふ。日本にわか……互い露見したようだねハチ』

『喧しい。にわかな所は分かった時にちゃんと学習すれば大丈夫なんだよ』


 しかし、そうか。初詣……こんな朝早くするなんて初めてだなぁ。つーか除夜の鐘なんて態々聞きに行くの自体初めてだけど……悪くないなー。ザ・日本って感じがする。しかし賽銭箱予想以上に小さいなぁ。


「うーん何だろう、牛頭さんが大きすぎるのが、お寺の建物が小さいのか……凄い違和感を感じるな、この光景……えっとお賽銭お賽銭」

『まぁ、外国人だからね。体格い良いし……ほら、これ。兄貴も』

「あ、すいません……器用ですよね、牛頭さん」


 まぁ、日本長いですからっと……そいっ。お、ジャストミート! さて、新初の初もうで、何をお願いしようかなぁ。まぁ自分の健康……は、多分そう簡単には打ち砕かれないと思う。家族も……殺しても死ななそうな人ばっかりだし。


『となると……?』


 目に付いたのは、隣で賽銭を放り込んだ少女。


『……この子も大概、去年ずっと災害続きだったからなぁ』


 結局、この一年一緒に付き合いっぱなしだったし。初めて出来た若い友人だしなぁ。まぁ今年はそういうのに縁が無いと良い、かな。危なっかしいし、一々。


『じゃあ、まぁ』


『「隣の人が、平穏に過ごせますように」』


 ……ん?


「……」


 いやぁ揃ったなぁ、綺麗に。何だろう。新年早々こんな綺麗に揃うと、幸先良い気がしないでもない。でもまぁ、俺が独りよがりに、揃った! 良い感じ! ってなってる感じだけども……


「――何となくですけど、今、牛頭さん……」

『……ん?』

「いえ、気のせいだったら良いんですけど……その今……」

 

「いやあああああ!? 助けてぇぇぇぇ! 鶏が! 鶏が暴走してるわぁ!」


 ……っすぅぅぅぅぅぅ……今さっき平穏を願ったばっかりなんだが?


『うっわ、ハチ凄いよ。鶏が狛犬を天高く弾き飛ばしてるよ。日本の鶏は元気だねぇ』

『呑気行ってる場合か! ええい結局俺は平穏無事には過ごせないってか!』


 チクショウ、有馬さんはちょっと……本殿の方に! 兄貴ついてこい! 俺達で抑え込む……アレ?


「いやぁああああああどうして私についてくるのおぉぉぉぉおおおお」

『なんでもう巻き込まれてんの!? チクショウ、ちょっと待ってろ! 直ぐ助ける!』


 あぁ、この一年も。どうやら俺の災難は続くと思って宜しいようで……いっぺんくらい厄払いしておいた方が良いんじゃないかな。本当に。


『――退屈しなさそうだね、君達』

『うるせぇ! 俺はひりつくようなデスゲームはノーセンキューなんだよ! デスゲームすんな! 禁止じゃ禁止ぃ!』


 この一年こそ、本当に平穏無事に、過ごせますように!


という事で、まぁ完結とは思えないような終わりですが、完結です。


とりあえず、この物語は一年を通して人外を主人公として物語を書いてみよう、というコンセプトとデスゲームを破壊できるような色々と強い主人公を書く、という目標の二つが大黒柱の物語だったのですが、思う程この物語のポテンシャルを生かし切れなかったのが実力不足を感じてしまって正直、悔しさを残す結果となってしまって……しかし、先ずは最大の目標の完結、という所まで持って行けたので、良しとしたいと思います。


さて、この先の投稿ですが……後程、活動報告に書いておくので、ご覧になって頂けるとありがたいでう。

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