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俺の山でデスゲームをするんじゃない  作者: 鍵っ子
俺のホームパーティを邪魔をするんじゃない
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刹那の裏切り

 ……あぁ、地獄の夜が明けた……深夜になるギリギリまで、なんとか互いに面倒を押し付けようと。爺ちゃんは悪乗りして魔王ムーブに熱中だったし。自然と疲れて寝るまで、静かな攻防を。


『そして、こんな夜明けなのに、普通に元気に起きれてしまっている自分が怖い』

『どうしたのハチ、歯ブラシ口に突っ込んだままで。痴呆?』

『そんな訳ないだろ。ちょっと自分の健康な体に感謝してるところだよ』


 やっぱり健康は全てを解決するって事だな。うん。どれだけ無理をして頑張って、消耗しつくしても、一晩寝れば大回復よ。うーん、人体の神秘。


『パーティは昼からだっけ?』

『あぁ、昼から全力ではしゃぐ。ストレス発散する。だが母さんが見張り役として付いているという地獄みたいな状況だな』

『はしゃぐと制圧されるわけだ。うーんなんとも……あはははは』


 苦笑いしてんじゃねぇ。全く、偶には社会人としてのタガを外して大暴れしたかったってのに。それすら許されないってか。もうちょっとご容赦が欲しい所なんだよ。


『まぁいい、そんなのに屈する俺じゃねぇ。絶対に諦めないぞ。普段からの我慢を解き放って大暴れするんだ、絶対に……!』

『自重しなよ……別にハメ外せないって訳ないじゃないから、限られた範囲とはいえ、ちゃんとどんちゃん騒ぎは出来るんだからさ』


 ……今年はホント色々大変だったから、その分のストレスを爆発させたかったんだけども、いやいや、待て。出来ないって訳じゃないんだから、そこは、考え方を変えよう。


『うむ、節度をもってなおはしゃぐというのは技能じゃよ』

『お、爺ちゃんお早う。じゃあ手本を見せ貰えるとありがたいな』

『ワシはしっとりと茶の一杯でも飲んでお主らがはしゃぐのを見れればそれで良いからのう……ほっほっほっほっ』


 知ってた。まぁ、爺ちゃんは暴れる時は暴れる、ゆったりする時はゆったりするっていう結構、区別はしてるし。昨日はドンチャンやってたから、今日は……まぁ、うん。そうなるわな。


『心配なのはあのお嬢ちゃんだからな……お主らの様な都市の男のノリに付いて行けるアかどうかという話よ』

『まぁ、その辺りはなぁ……』

『どうしたって男女の差はあるし。そもそも俺達は酒飲んじゃうし……テンションの差はあるよねぇ。まぁ、母さんにサポートしてもらうしか……』

『えっ? 俺は飲まないけど? はしゃぐとは言ったけど』

『えっ?』


 いや、有馬さんを酒飲んだオヤジ二人の狂乱に巻き込むのは、アレじゃない……良くないよそういうのは。うん。だから責任ある大人としてさ。


『……えっ?』




「えっと、私は良く分からなかったんですけど……それでも、皆さま本当に、お疲れさまでした! という事で、乾杯です!」

『『『カンパーイ!』』』

『……裏切られた。ハチに……コンチクショウ……どうしてなの……どうして……』


 はっ、どんちゃん騒ぎするのに酒が必須だと誰が決めた。俺は有馬さんと一緒にフルーツ・オレだってんだよ! まろやかな甘酸っぱさがうめーナー! うーんやっぱりフルーツ・オレは万国共通ですわぁ!


「牛頭さん、お酒良いんですか? あんなに飲みたそうにしてたのに」

『いや良いんですよ……それよりも、あそこに凄いイケメンのミノタウロスが居るじゃない? あそこの方が一杯飲みますから、ね?』

『オイそこの少女の肩をそっと抱いた変態ミノタウロス! 何故俺を指さす。お嬢さんが手に持ったその酒を一体どうするつもりなんだ! どうあっても俺を素面にはしないつもりだなさては!?』


 いや、折角の宴ですよ? 折角だしねぇ、羽目を外して楽しんでいただかないと。俺ですか? 俺はちょぉっと、ね? ホストだし、あんまり暴れすぎてもちょっと……


「タウロスさんに、ですか?」

『そうだよぉ……べろんべろんに酔わせて、暴れさせる暇も無く酔い潰すくらいで』

『止めろ悪魔(ハチ)! お前! 無垢な淑女に何を吹き込んでいるんだ! 止せ!』

『え? オイラの言葉は有馬さんはちょっとまだ理解してないからなぁ、吹き込みようがないんだよなぁ非常に残念だけどもねぇ……!』

『仕草が何より雄弁なんだよ! めっちゃ飲ませるように仕向けてるだろう!』


 ふ、済まないな兄貴。昨日アンタに売られた時点で俺はアンタに対する復讐を決めていたんだ。精々ガッツリ酔って潰れてくれ。俺はその姿をそっとスマホに収めて……まぁそれをどうするかは、俺次第かなぁ。ふひひひひ。


『悪い笑い方しやがって……! 見てろ、酔い潰れる前にお前を確実に巻き込んで相打ちに持ち込んでやるからなっ!』

『母者! 兄上殿に暴力の兆しアリ! 制圧をお願いいたす!』

『うむ、興が乗ったよ! 請け負わせて頂こうじゃないか!』

『母さん!? もしかしてこれ僕、チャイニーズ故事の四面楚歌って奴かな!?』


 ふ、当然だろうが。君以外が酒を飲んでいない時点で察するがいい。全員で君を弄る対象にしたからな……昨日の俺をボコボコにしてくれた例とか色々と、しっかりお返しするからさ。楽しみにしててねー。


『こ、この野郎が……っ! おのれハチィイイイイイイ!』

『お前の社会的地位をぶっ殺してやるから覚悟しろ……っ!』

「……おかしいな。パーティなのに火花が見える気がするなぁ」


 気のせいじゃないから大丈夫大丈夫。有馬さんは楽しんでもらって。その片手間で兄貴に容赦なく復讐するだけだからさ。フハハハハ……ッ!


『いやー、孫たちが戯れるのを見るのは楽しいのー』


親戚がやられてるの見た事あるんですけどコレ、地獄ですよ

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