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視聴天性  作者: おらた
大山蛙退治編
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第177話 勇者、新たな敵と出会う。 part4

━━━某街役所······。


「エルトア市長、面会を願う者が現れました。中にお通しいたしますか······?」


「中へ通せ」


 周辺の建物よりも明らかに大きい街の役所で、その建物で息を荒くした青年兵士が門を叩いていた。

 しばらく待っていると門は開き、民衆より良さそうな服装をした秘書が扉の前で佇んでいた。


「市長がお待ちなさっております。そのままで良いのでお入り下さい。市長は2階の応接室でお待ちしております」


 秘書は言伝えるとその場で応接室の方向に腕を向け佇んだ。


 青年の兵士は入り口の緊迫感を思い出すかのように急ぎ、応接室の扉をノックした。


 中では市長らしき男の声が入るよう促している。


 青年兵士は中で待っていた市長に今の入り口の状況、ことの始まりなど諸々の出来事を荒くなりつつ伝えた。


 話を聞いた市長は2歩後退りすると元気が無さそうな声で呟いた。


「一体、何が起きているというのだ······?」



「神黒さん、裏口も魔物に回られていて出れそうにないです!」


 魔物の軍は俺たちのいるピラミッドを囲むような陣形で配置されていた。


「デスビーストはここに俺たちを閉じ込めて殺すつもりなんだ······」


「そもそもこの街ごと巻き込むほどに僕たちはあいつにとって危険なのか?」


「そんなの勇者である俺たちがいるからに決まってんだろ!!」


「······」


 その場に集まっていた者たちは的外れな答えに返す言葉が出てこなかった。


「どうしたんだ?」


「明、これまでの戦いで勇者といアドバンテージを感じたことはありますか?」


「急に何だ? 特別なスキルを手に入れられるとか、ステータスの上昇が高いとか、単純に攻撃力が高いとか?」


「······そんな感覚をどこかの戦いで感じたのか?」


「······」


「そもそもお前たち3人は見知らぬ男に無理矢理ここへ転移させられ、魔物を倒すことになっただけで神から能力を授かったわけでもないし、男から特別なスキルを伝授してもらったわけでもないだろ?」


「······」


「つまり、これまでの旅は勇者なんていう特別なものが無くたって上手くいくことばかりだったってことか······」


「僕たちは名は勇者けれど特別な能力を持たない一般人なんだよ······」


「そうなるとデスビーストが危惧しているのは自身の能力限界ということか······?」


 リクロスの発言はその場にいた者たちに驚きを与えた。


「デスビーストにそんな弱点が存在するの?」


「私がここに来てから100年程経っていますけれど、限界なんてあるの?」


 皆の脳内に広がる疑念と不安がこの空間を包み込んだ。

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