来世で会いましょう
そこに体温はなかったが兄の顔は美しく微笑んでいた…。化粧のおかげか、生きていた時よりも顔色がいいくらい。
「兄上…お疲れ様でした。ゆっくりおやすみください」
私は棺の中の花を1輪取ると兄の手に握らせる。
「どうか来世で会いましょう」
私は棺から離れると葬儀屋が蓋を閉め、穴の中に棺を置き、土を被せる。
するとその埋葬の間、世界新聞局の職員はあの美しい歌を歌ってくれた。
「兄上…」
(挿絵:花見酒様)
埋葬が終わり、墓標が置かれると葬儀屋と職員達は去って行った。
いつの間にか雪は止んでいて青空が広がっていた。
「兄上…」
(挿絵:花見酒様)
私は兄上との思い出を思い出していた…。
そして、日が暮れるまでそこにいた。
(挿絵:花見酒様)
「そろそろ夜になる、今夜は酒に付き合うぞ」
ずっと付き添ってくれていたメイホウがそう肩をバンバンと叩きながら言って来た。
「酒は飲めません…ですが、一緒に来て欲しいです。
イヴが今朝子供を産みました」
「なんじゃと?!何故それを早く言わんかクソガキ!」
「そのクソガキ呼ばわりはなんとかなりませんか…私は一応は王になったのですが…」
普通だったら、父上だったらそんな風に呼ばれたら死刑にしていただろう。
「クソガキはクソガキじゃわい。娘の夫、すなわちワシの息子。ワシのガキじゃわい」
「は、はぁ…」
「せめてクソをつけられんよう、父とは違う立派な王になれ。そしてイヴリースを大切にしてやってくれ」
「分かりました」
私はぐっと表情を引き締め、兄の墓に背を向ける。
「立派な王になってみせましょう」
私はメイホウと共に宮殿に戻り、イヴとラムセスに会わせる事にした。




