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うざいくらい慎重すぎる暗殺者  作者: 総督琉
第三章後編『儚い雪のように』
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幕引『雪消の水』

 Bクラス第七席住川。

 ただ一人、彼だけが生き残った。

 目覚めてすぐ、氷夜と氷織が死んだことを斑鳩から伝えられた。

 自分だけが生き残ったことを理解するのに多くの時間を要した。


 胸に触れる喪失感が肌を震わすのが分かった。

 心は氷を押し当てられたように冷たくなっていく。


 自分一人だけが生き残ったことに罪悪感を覚える。

 どうして自分なんだ。

 自分の命の代わりに彼らが生きるべきだ。


 残された者の悲しみは深く、重い。


 自分がどうするべきか、住川は分からずにいた。

 霧の濃い森でさ迷うように、心は定まらずにいた。


 迷いの中でわずかに巧妙を見つける。

 氷夜との最後の会話、そこで氷夜が信頼していた人物を思い出す。


「速水碧……、彼女なら……」


 住川は治りかけの身体を無理矢理起こし、立ち上がった。


 自分が何をすべきか、まだ分からない。

 だが唯一の希望に手を伸ばす。

 その先に何があるのか、分からないまま。



 ♤



 鳳と王子。

 ホテルの屋上で向かい合う。


「これにてクラスを一つ潰したわけですが、すぐに次の標的に策を仕掛けます」


「第Ⅳクラスが壊滅したことはどのクラスも察しているはずです。この状況では警戒は厳重になっています」


「いえ、おそらくこの状況を予知できていないクラスが一つだけあります。第Ⅴクラス、六クラスの中で最弱のクラスです」


「確かにあのクラスの筆頭、八神はそれほど強くはないです。簡単に落とせるでしょうね」


 王子は反論はせず、むしろ鳳の意見に同調した。


「あのクラスは第Ⅵクラスへち(・)ょ(・)っ(・)か(・)い(・)を入れているようですし、丁度潰しましょうか」


 鳳は第Ⅴクラスにキレていた。

 彼女は自分の獲物を狩られるのが大の嫌いだった。

 そのため第Ⅵクラスに何度も敵対してきた第Ⅴクラスは邪魔でしかない。


「当然第Ⅴクラスごときに落とせる第Ⅵではありませんが、どのみち潰すのですから今潰しましょう」


「今……ですか?」


「既に策は動き出しています」


「そういえば不和の姿をあまり見かけませんが……」


「始めますよ。次は第Ⅴクラスです」


 鳳の陰謀は再び動き出す。

 一般生徒が修学旅行を満喫する裏で、暗殺者は命を研ぐ。


第三章完結

次、第四章

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