TRPG世界に悪神が転生したらまったくゲームにならない件について その一
これはあるチャットルームでの話である。部屋の主をゲームマスター(以下GM)とし、地の文を担当する。「」は参加者の台詞とする。
こんにちは
「こんにちは」
「こんにちは」
「何がこんにちは、だ。早く始めるぞ」
「ファ〇ク」
「ええっと……ファ〇ク、って言えばいいんですか?」
そんなルールはありません。まったく、変な人々が集まりましたね。では自己紹介させてもらいます。今回から数回のセッションを担当させていただくGMです。よろしくお願いします。
「どうも、よろしくお願いします」
「よろしく」
「早くやろうぜ」
「ファ〇ク」
「ええっと……ファ〇ク」
分かりました。では簡単にルールを確認しましょう。今回のゲームは純粋ファンタジーTRPG『ミズガルズ』をプレイしてもらいます。キャラはもう受け取っています。それぞれ自己紹介を。
「まずトートル。平民の戦士で武器はバトルハンマーとメイス。重戦士系にフルプレートを購入しておいた」
ああ、確かに装備していますね。ところでフルプレートを運ぶ動物が居ないようですけど。
「は? 装備するだけだろ? RPGってそうじゃねえのか」
ルールブックちゃんと読んでください。重量が重い装備を持ち運ぶには相当の動物が必要で着脱には時間がかかります。着脱技能を取っていないのでしばらく使い物にはならないでしょう。リアル志向ゲーですから譲れません。
「悪神、貴様騙したな?」
「お前が強い武器と鎧が欲しいといったから選んでやったのだ。感謝するがいい」
今回初心者が多いので、まあ驢馬をおまけしておきます。但しスキルが無いので装備するには他人の支援ありで10分かかります。
「ふん……最悪ハンマーがあれば大丈夫だろう。進めろ」
では次の人。
「ブラーギ。下級貴族出身の吟遊詩人でミズガルズの詩を作るために冒険に出ました」
初心者向けの職業じゃないですがいいでしょう。次の人。
「フレイ。ヴァン神族で職業は豊穣を司る神。妻は超可愛いゲルズたん。武器は勝利の剣」
これじゃキャラメイクじゃなくて履歴書です。名前はこのままで、人間の下層民出身の戦士で武器はロングソードにしておきました。ってかもうほとんど私が作っておいたのでそのキャラを使ってください。
「ちょっと待て、何故勝利の剣を装備してないんだ! おい、ちゃんとルールブックに載ってただろ!」
では次の人。
「ロキシス。女性魔術師。貴族生まれだが、この世界に来たのはごく最近だ。その前は40年間引きこもりニートの童貞『山田 二郎』で、ネトゲとエロゲとニ〇動をマスターするほどのキモオタだった。ある夏のコミケで買った同人誌に夢中になったおかげで漏らして恥ずかしさで走り回り放尿とクソデブ特有の大量の汗により脱水症で死亡。しかし生まれ変わった世界では美人魔術師だったのでこの世界で何かを成してやろうと決意する」
何か酷いものを見た気がします。さっさとニヴル・ヘルに落ちてください。次の人。
「シギュン。奴隷出身のロキとロキシスを信仰する司祭です」
ロキ信仰は邪教扱いなのでオーディン信仰に変えておきます。
「は? 何故私様の信仰が邪教なのだ! ってか何故よりにもよってオーディン教なのだ! せめてヤドリギを崇拝させろ!」
じゃあこれで進めていきましょう。
「スルーするな! おいGM! チャット見てんだろうが!」




