23、午睡のある国
イタリアなど、ラテン系の国では午睡がある。つまり、お昼寝だ。
本当に、正午から2時間くらい、誰もかれも休む。
学校もその時間は昼休み。お店もやっていない。外に出ると寂しくなる。
イタリアに着いてしばらくは、水の買い方が分からず、スーパーなどで2リットルペットボトルを8本セットで買って、手で運んでいた。重い!(普通は運んでもらう)
ところが、その水を買うのも、なかなか難しい。
なにせ、学校のない時間に買い物に行かなければならないのに、学校の昼休みはスーパーも午睡で休み。夕方まで授業があって、その後行こうと思うと、もう終わってる・・・
という日々が続き、大変喉が渇いた。(水道水が飲めないのです)
さて、授業はというと、基本全て実技。
朝一に、その日のレッスンの時間と教室が貼りだされる。
レッスン室が普通の教室だけではなくて、ものすごく音響の悪い(でも由緒はある)ホールだったり、屋根裏部屋みたいなところだったり、日本では味わえないようなところで歌えて面白かった。
その貼りだされる時間割に、ある時から私の名前がなくなった。
・・・?なんで、私の名前がないの?
と、疑問に思っていると、名前じゃない枠があった。
Il Ragazzo「坊や」。
どうやら私のことらしい。
ズボン役(男役)の曲ばかりを練習していたせいか、先生方に「坊や」と認識されていた。
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ちょこっとイタリア語講座:「子ども」の呼び方
イタリア語の名詞には女性形と男性形とがあって、語尾が-oで終わるものは男性形。同じ言葉でも語尾が-a(読み方はア)で終われば女性形となる。
つまり、上の「坊や」という単語も
Ragazzo (ラガッツォ)だと「坊や」で
Ragazza (ラガッツァ)だと「お嬢さん」ということになる。
このragazzo という言葉は、日本語だと訳しにくい。意味合い的には10代前半の子どもを指している。
バンビーナと言う単語を聞いたことがあるかもしれないが、これは10代以下の子どもの「坊や」や「お嬢ちゃん」という意味であって、日本語にすると上の言葉と同じになってしまう。
日本語でも、ブリの幼魚のことをイナダと呼ぶように年代で呼び方が変わる物がある。
魚と人とは違うけれど、感覚は同じ。
これも文化である。




