5、レッスン日の服装
大学の授業では、普通の一般教養科目もあるけれど、それよりも大切なのが、音楽科目。中でも一番大切なのは、専攻科目のレッスンである。
ということで、レッスンだ。
専攻の声楽と、副科のピアノがある。
専攻の声楽は45分だったかな。
副科のピアノは30分だったか、20分だったか・・・?思い出せない。
普段はTシャツにジーパンの私ではあるが、レッスン日だけはちゃんとした服装をしている。
X先生は、
「朝起きたらストッキングを履きなさい。エレガントなスカートを履きなさい。ヒールのある靴を履きなさい。背筋を伸ばして、高い声でお話ししなさい」
と、教える。普段から心がけることではあるが、私にはできない。
ということで、レッスンの日だけはワンピースなどを着ている。
スーツはあまり良い顔をされない。エレガントでないらしい。
レッスンを終えて、声楽科の友だちが輪になって喋っているところに合流したとき、一部男子が私を見てしばらく固まっていた。それから
「お前、マロンか?」
と、聞いてきた。
マロンがワンピース着ていますが、何か?
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この後この男子に本気で「おめえにはジャージが一番似合う!」と言われた。
褒め言葉だと思って受け取っておこう。




