23、忘れた!
発表会の舞台上で、忘れてしまうことがある。
緊張していて頭が真っ白、ということもあるし、時々妄想が頭に入ってくることもある。
ピアノの生徒さんで、弾いている次の音が分からなくなった場合、子どもによっては最初から弾くこともある。
責任感があるなぁと思う。
たいてい、弾きなおせばちゃんと弾ける。
まったく思い出せなくなって、舞台そでにいる私の方を向く子もいる。
「ド!ド!ド―ミーソー!」
などと、私が小声で叫ぶと「あ」と気づき、思い出して弾ける場合もある。
それでも思い出せない場合は、私が舞台に出て、隣に座ってあげることもある。
今まで、一回だけそういうことがあった。
だけど、内輪の発表会で、忘れたとか、失敗したとか、全然どうってことない。
隣に座ったことで、安心して弾けるならば、それで良い。
子どもたちにとっても、緊張しても、失敗しても、なんとか弾ききったことは、良い経験になる。
そういう意味では、私の音大の声楽の試験は失敗が許されない世界だった。
歌っていて、次の歌詞が分からない!ということがわりとある。
♪あ~う~あ~う~♪
と、歌詞のないあやふやな歌を歌ったこともある。
いやー、あの時の冷や汗ったら、生きた心地がしない。




