15、芸術祭で三味線
大学の文化祭(芸術祭と言った)で、三味線を弾いた。
私は普段、バス代を浮かせるために途中まで自転車で行き、そこから電車で大学に通っていた。
三味線を担いで自転車をこぐ私。良いのか・・・?
三味線はハードケースに入っているので、かなり大きいけれども、人やモノにぶつけないように運びながらの激チャリはなかなかスリリングだった。
芸術祭では、着物を着て三味線の発表をした。
おーう、また足が開かない。
そうか、そういう日は・・・自転車に乗れない。
なんてこったい。
貧乏マロンは着物を着て歩いて駅まで行くというのか。おあつらえ向きに雨まで降ってきた。
と、思ったら母がそっとお金をくれた。うまれて初めてタクシーに乗った。
発表自体は、素人集団らしく、しかし音大生らしく、良い音楽会だった。
私は立三味線をやらせてもらった。掛け声(?)を要所要所で入れるのだけど、緊張しすぎて「ハ」と言うところで、エライ裏返って「はぁ~?」みたいになってしまった。
聞いている人は分からないだろうけど、一緒に演奏している人は驚いただろうな。
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ちょっと脱線。
三味線の師匠の家で驚いたこと。それは、猫が3匹いたこと。
この猫・・・そのうち三味線になってしまうのではないかと、本気で心配した。
ちなみに、三味線は猫の皮を使っているということを知っている人は多いが、猫の皮は高級品のため、ワングレード落としたものは犬の皮を使っている。(初心者は合皮で練習します)
立三味線:二挺以上ある場合に掛け声をかける、リーダー的な人のことです。




