13、あし笛の踊り
雀ちゃんは2年間だけバレエを習っていたことがある。
毎日図書館に通う娘を心配して、
「何か身体を動かす習い事をしなさい」
と、命令してみた。
すると、水泳は嫌だと泣き、その他は思いつかなかったらしい。
小5でバレエを習うことになった。
ピアノもそうだけど、バレエは小さなころから習い始める人が多い。
小5になれば、それなりに踊れていて然るべき。
ところが、雀ちゃんは小5で始めて、さらに今まであまりにも運動をしていなかったため、非常に身体が硬かった。
だけど、私に似て根性はある。
小5で小2並みの踊りをすることが恥ずかしかったらしく、中一の発表会に向けてかなり頑張って踊っていた。
まあ、ピアノのように家で練習ができないけれど、なるべく柔軟体操などをやらせてみた。
中一の夏休み直前、最初で最後のバレエの発表会があった。
娘。可愛い♡
しかし、何か優雅さに欠ける。
ズボン役をしていた私と重なる、その大雑把な動き。
遺伝らしいその動きに、バレエを習わせたことをそこで謝罪した母だった。
踊った曲はクルミ割り人形の「あし笛の踊り」だった。
笛好きな娘にぴったりの曲で、笛を持つ振りをして踊るというもの。
バレエも決して嫌いでではなかったけれど、結局発表会が終わったら
速攻バレエは辞めて、毎日部活でフルートを吹くようになった。
踊るより、吹くほうが好きだということだろう。




