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いきなり音楽教室  作者: marron
発表会編
157/200

7、私の発表会・ピアノで抱負



二度目の発表会は中学1年生だった。

初めての発表会でぶるぶる震えていて、ちびっ子に「あのお姉ちゃん、震えてるよ」と言われた私は、心に決めていた。

今年こそ、震えない!

そんな抱負があるかいな。


発表会前に、私はいかに震えを抑えるかを研究した。

震えてきたら、震えないように力を入れる。

しかし、ペダルを踏む足は逆に、力を入れるとさらに震えてしまうので、力を抜くほうが震えない。

緊張するのはしょうがない。

とにかく、震えているのを誰にも見られたくなかった。


本番、名前を呼ばれて舞台に立ち、最前列を睨む。あの子はいないか。

しかし、どれがあの子かは分からない。

しょうがない、とりあえず、まんべんなく睨んでから、ピアノの椅子に座った。


早くも足が震えている。

いかん、リラックスだ。足は力を抜く。

そっと鍵盤に手を置くと、手も震えている。手は、力を入れる。

力を入れても、震える。震えるけれど、手の震えは、見えない角度ではないか。

よし、手は気にしない。手の震えはこのさい見えないことにして、足に集中だ。


ということで、2度目の発表会は、ひたすら足の震えを気にしていたため、どんな出来だったかを思い出せない。

少なくとも「あのお姉ちゃん、震えてるよ」とは聞こえてこなかったので、よしとする。




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