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22、合唱エキストラ
仕事のひとつで、合唱のエキストラをすることがある。
アマチュアの合唱団などの手伝いである。
合唱団員は全10回の練習をこなすけれど、エキストラ(略してトラ)は、最後の3,4回しか練習しないことも多い。緊急だとゲネプロしか練習がない時もある。
かなり厳しい。
それでも、全部覚えて歌えるのがプロなのだけど。
よく呼ばれるのが、第九やメサイア。
この二つは、日本全国どこでも演奏されているし、人気がある。
そして、音域が高い。
アマチュアの合唱団、特に少しばかりお年を召しているとその高い声は出せないのだ。
第九は別名「歓喜の歌」と言われているが、高い声を絞り出すオバ様方が歌うと、ほとんど「狂気の歌」である。
声だけでもすごいのに、顔がまた・・・
おっと、失礼。
ソプラノもアルトもいつでも歌えるのだけど、第九もメサイアも、ソロでも歌えるため、時々気を抜くと、ソロを歌いそうになってしまう。
というか、実際一度やっちまったことがある。
なんというか、色んな意味でトラは緊張する。




